私のオンとオフ スイッチインタビュー アコースティックギターコンテスト受賞歴多数! 受け手に喜ばれ、楽しまれる発信を
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約24,000 ある郵便局をはじめ、全国で働く日本郵政グループの社員。この企画では、それぞれの立場で仕事に取り組む社員の姿勢と知られざるプライベートでの横顔、そんなオンとオフの両面で活躍する社員の魅力ある個性を掘り下げていきます。
今回登場していただくのは、株式会社かんぽ生命保険 コーポレートコミュニケーション部で勤務する坂本 佳祐(さかもと けいすけ)さん。現在、主に社内向けの情報発信を担う坂本さんのオフの顔は、作曲まで手がけるギタリスト! アコースティックギターとの出合いから、大会に向けた練習と仕事との両立、ギタリストとしての活動と仕事の共通点など、オン・オフともに充実させたくなるお話を伺いました。
株式会社かんぽ生命保険 コーポレートコミュニケーション部
坂本 佳祐(さかもと けいすけ)さん
2020年、株式会社かんぽ生命保険に入社。入社後は高岡支店に配属となり、法人向けの営業などを担当。2023年4月から広報部(現 コーポレートコミュニケーション部)所属となり、社内ポータルサイトの運営や広告審査に携わっている。
「使いやすい社内ポータルサイト」へと改善を続ける
――坂本さんの入社のきっかけを教えてください。
坂本:通っていた大学が開催する就活セミナーにかんぽ生命が出展していたのがきっかけです。採用担当の方のお話を聞いて、例えば人口が少なくコンビニもない地域などにも郵便局はあること、そしてその郵便局を通じて加入できる保険商品を提供していることに事業の意義を感じました。特定の人ではなく、多くの方の支えになれる仕事であることが魅力的だと思いました。
また、当時からギターに触れていて、就職してからも何らかの形でギターを続けていきたいと思っていたので、ワークライフバランスが取りやすいという点にも惹かれました。
――入社後、仕事をするなかで、印象に残っていることはありますか?
坂本:入社1年目の高岡支店で、初めて企業からご契約をいただいたときですね。コロナ禍とも重なり、アポイントを取ることすら難しかったのですが、何とかご提案する機会をいただき、結果として、「素敵な提案をしてくれてありがとう」と言っていただくことができました。先方もちょうど保険を見直したいタイミングだったそうで、最後まで諦めなくてよかったなと思いました。
――では、現在の業務内容についてお聞かせください。
坂本:社内向けの情報発信を中心に、併せてそのツールとなる社内ポータルサイトの管理運営を行っています。はじめはシステム面の知識がなく苦労しましたが、社員の皆さんが毎日チェックする重要なツールなので、その運営に携わっていることにやりがいを感じています。
――社内ポータルサイトの運営に携わるなかで、心がけていることはありますか?
坂本:利用者視点を意識していて、自分が高岡支店で働いていた当時、どんな機能がほしかったか、どうなれば見やすかったかを思い出しながら改善に取り組んでいます。また、特にお客さまと接する社員が求める情報は網羅できるようにしていきたいと思っています。
多彩な奏法で、自分の表現を追い求められる「アコギ」の魅力
――アコースティックギターを始めたきっかけを教えてください。
坂本:小学4年生のときに、フォークソングが好きな母の影響で始めました。家にギターがあって、音合わせくらいは母から教わりましたが、そこからは独学でのめり込んでいきました。高校では軽音楽部に所属し、大学ではジャズバンドやアコースティックギターのサークルにも入って、ずっと続けてきました。
――フィンガースタイル(ピックを使わず、指で弦を弾くスタイル)に特化されていますが、フィンガースタイルの魅力はどんなところにありますか?
坂本:ピックを用いた奏法の場合はピックが触れた弦だけが鳴りますが、指で弦を弾く奏法は五指それぞれ違う動きができ、演奏の自由度が高まることは大きな魅力です。また、ギターを軽く叩いたり、指で弾いたりするスラップ奏法ができたりと、多様な奏法を駆使して演奏できるのも可能性を感じます。
アコースティックギターは、ともすると「歌の伴奏役」という位置づけになりがちですが、メロディーもベースも弾けますし、ドラムのような役割も担えます。何でもできるので、その魅力を引き出せるような演奏を心がけています。
――初めてアコースティックギターのコンテストに出場したのはいつですか?
坂本:2018年、大学2年生のときに初めて「モーリス・フィンガーピッキングデイ(以下、FPD)」という大会に出ました。FPDは、野球でいうと甲子園大会のような憧れの大会。演奏に自信はあったのですが、何の賞も受賞できず、ほかの出場者との実力差に号泣したことを覚えています。その悔しさがあったからこそ、以降、練習や作曲に打ち込めるようになった気がします。音楽は自由に奏でるもので「競う」のは違うかもしれませんが、コンテストの存在はやはりモチベーションになりますね。
――今年出場されたFPD2024では、優秀賞と楽曲賞を受賞されたんですね! おめでとうございます!
坂本:ありがとうございます! FPDでは、カバー曲のオリジナルアレンジと、未発表のオリジナル曲の2曲の演奏で審査されます。カバー曲では、小椋 佳(おぐら けい)さんが作詞・作曲された「愛燦燦」を、オリジナル曲は「新しい世界」という曲を演奏しました。
作曲は、聴き手の方がどう感じるかを意識し、盛り上げたいフレーズの手前は少し抑えた演奏をするなどメリハリをつけました。家族にも聴いてもらい、客観的な意見をもらいながら作っています。そうやって作り上げたオリジナル曲で楽曲賞を受賞できてとてもうれしいです!
――FPD2024での演奏を振り返ってみていかがでしたか。
坂本:緊張しましたが、曲に入り込んで弾けたので満足しています。「愛燦燦」の演奏では、冒頭で人間の孤独感を表現したいと思い、直前まで歌詞を読み込んで気持ちを作っていました。審査員の方からも「イントロに意気込みを感じた」と評価いただいて、表現したかったことを伝えることができたと実感しました。
受け手に想いを馳せてきた経験が、広報活動にも活きている
――職場の皆さんは、坂本さんがギターを演奏されることをご存じですか?
坂本:ギターの話をする機会があって、それ以来応援してくださっています。この記事も、いっしょに働く先輩に他薦していただいたことがきっかけでしたし、ある方は「コンテストで演奏を聴きたい」と申し出てくれました。温かい応援に感謝しています。
――仕事と、ギタリストとしての活動の両立に難しさは感じますか?
坂本:ギターは毎日コツコツ練習するのが大切なので、平日は1時間程度、仕事の繁忙期であっても1日10分は弾くようにしています。時間の取りやすい週末に集中的に練習するようにし、メリハリをつけるようにしています。
また、大会を目指したオリジナル曲の作曲は早めに取りかかり、一つひとつのフレーズを少しずつブラッシュアップさせていくようにしています。
――ギタリストとしての活動と、現在の仕事に共通点を感じることはありますか?
坂本:どちらも、情報や表現の発信元である点は共通していると感じます。ギターの演奏や作曲では「聴き手がどう感じるか」を想像しますし、社内向けの情報発信も常に受け手を意識して内容を決めていきます。
ギターを通じて人前に出たり、動画配信サービスに演奏動画を投稿したりするなかで受け手の存在を感じ続けてきたことは、今の仕事にも活きていると思います。
来年こそコンテストでトップを! 仕事もギターもバランスよく続けたい
――では、仕事とギターそれぞれの目標を教えてください。
坂本:まず、仕事では社内ポータルサイトの抜本的な改修ですね。「ワカル、ミツカル、ツナガル」をコンセプトとする長期プロジェクトが進行中なので、これを着実に進め、社員の皆さんにとってより使い勝手のよいものにしていきます。探している情報を簡単に見つけられるサイト構成にすることで業務が効率化でき、業務や会社への理解が深まり、ひいては社内コミュニケーションが活性化される交流拠点にできたらと思っています。
ギタリストとしては、来年こそFPDの最優秀賞を受賞したいです。FPD以外のコンテストにも出場していて、動画投稿型の「2024 Natasha International Fingerstyle Competition」では30名のファイナリストに残ることができました。日本人は自分だけということもあり、決勝に向けて練習と曲作りに力を入れたいです。
――ギターを楽しむために大切にしていることはありますか?
坂本:インプットを続けて好奇心を忘れないこと、新しい経験を重ねることが大切だと思っています。仕事もそうだと思いますが、音楽活動をするうえでもインプットは大事です。普段から、新譜は積極的に聴いて「演奏に取り入れられる要素がないか」と探していますし、よい曲作りにつながる気がして、映画やライブにも出かけるようにしています。また、コンテストに出てプロの方とお話しすると、好奇心が自然と湧き、新たな挑戦に思い切って向かえます。
――最後に、これからどんな人生を歩みたいかお聞かせください。
坂本:うまくバランスを取りながら、仕事も音楽も両方続けていきたいです。先ほど話に出た小椋 佳さんは、銀行員としても活躍しながら、シンガーソングライター、作詞家、作曲家としても大成功を収められた方。勝手な想像ですが、人の心を揺さぶる名曲を世に送り出せたのは、小椋さんが長年社会人として仕事に打ち込み、社会を生きる人たちとかかわり続けたからではないかと思います。自分も、ギターだけ、仕事だけに偏らず、オン・オフの経験を活かし合い、いつもワクワクしていたいです。