苗木がつなぐ"どんぐりの絆" 10周年を迎えた東北での植樹会をレポート!

苗木がつなぐ

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2014年5月の初開催から10周年を迎えた東北での植樹会。日本郵政グループでは、「JP子どもの森づくり運動」の一環で、東北の緑の復興支援として「東北復興グリーンウェイブ」を展開しています。

"どんぐりの絆"10年の道のり

「東北復興グリーンウェイブ」は、東日本大震災の被災地の保育園・幼稚園・こども園の子どもたちによる「どんぐり拾い」から始まります。このどんぐりを郵便局ネットワークを活用し、全国の保育園・幼稚園・こども園へ送ります。

ひろったどんぐり
東日本大震災の被災地の子どもたちが拾ったどんぐり

全国の保育園・幼稚園・こども園では、子どもたちがどんぐりを丁寧に育苗ポットに植え、植樹ができる大きさになるまで大切に育てます。

東日本大震災の被災地の子どもたちが拾ったどんぐりを植える、全国の保育園・幼稚園・こども園の子どもたち
全国の子どもたちが植えたどんぐりから芽が出た様子

育った苗木は、被災地の園へと送り返されます。そして、子どもたちが苗木を被災地に植樹することで、東北の地に再びどんぐりが帰ってくるのです。

被災地での過去の植樹会の様子

2014年の第1回植樹会で子どもたちが植樹した苗木は、岩手県・山田町の「カキの森」ですくすく育ち、今では立派な森になりました。

10年前に子どもたちが植樹した木が生い茂る「カキの森」

この森で実ったどんぐりを次世代の子どもたちが拾い、苗木に育てることで"どんぐりの絆"はどんどんつながっていきます。

参加人数は過去最多! 107名の子どもたちが奮闘した植樹会

2024年5月22日、10周年を迎えた記念すべき植樹会が岩手県・大槌町で行われました。今回の植樹会には、岩手県・宮古市、山田町、大槌町の3つの地域から6つのこども園と保育園が参加しました。参加した子どもたちは総勢107名。過去最大規模の植樹会となりました。

青く晴れ渡った空のもと、宮古市のあかまえこども園、山田町の山田町第一保育所、とよまねこども園、織笠保育園の子どもたちは、このイベントのために走る三陸鉄道の特別臨時列車「どんぐり列車」に乗って、大槌町へとやってきました。

植樹会場のある吉里吉里(きりきり)駅に到着した子どもたちは、元気いっぱいにどんぐり列車から降りてきました。駅前の広場では、大槌町のつつみこども園、吉里吉里保育園の子どもたちが拍手で迎えます。

駅から会場までは、歩いて向かいます。横断歩道では手を上げて元気よく渡っていました。

子どもたちが植樹会場に着くと、開会式がスタート。

子どもたちにエールを送る吉里吉里郵便局 局長の中村 和也(なかむら かずや)さん

開会式が終わるといよいよ植樹会が始まります。子どもたちは、全国の仲間たちが育ててくれた苗木を1本ずつ受け取り、それぞれ苗畑に向かいます。

苗木を手に準備OK!

苗畑に入った子どもたちは、育苗ポットから苗木を取り外し、事前に畑に開けられた穴に植え替えます。土をやさしくかぶせながら、「大きくなーれ!」と苗木に話しかける子どもも。サラサラとした土の感触を楽しんだり、うまく植えられた苗木を先生に自慢したりする様子も見られました。

植樹をする子どもと中村さん

最後に苗木に水をやります。この日は日差しが強かったため、子どもたちも気持ちよさそうに水をあげていました。

実は、苗木を植える子どもたちを見守るかのように彼らの脇に植わっていたのは、過去に植えられ、育てられてきたどんぐりの苗木。小さかったどんぐりの実は、大切に育てられ、今では子どもたちの背丈を超えるほどの大きさに成長していました。

どんぐりの苗木の成長は、"どんぐりの絆"が受け継がれてきた証し

植樹を終えた子どもたちに感想を聞くと、「楽しかったから、もっとやりたい!」と元気よく答えてくれました。また、過去に兄弟が植樹会に参加したことがあるという子は、「ずっとやりたかったから、できてうれしい! 家族にどんぐり植えたよってお話しする!」と笑顔で話してくれました。

苗畑には子どもたちによって植えられたたくさんのどんぐりの苗木が

植樹会が終わると、あかまえこども園、山田町第一保育所、とよまねこども園、織笠保育園の子どもたちは、再びどんぐり列車に乗って帰っていきます。つつみこども園、吉里吉里保育園の子どもたちは、列車が見えなくなるまで手を振ってお見送り。

あっという間に終わった植樹会でしたが、見送る子どもたちの様子からは、体験の共有を通して絆が深まったことが伝わってくるようでした。

この先の10年、20年......とつながっていくために

2014年から続く東北での植樹会。共催者のNPO法人子どもの森づくり推進ネットワーク 代表理事 塚原 茂(つかはら しげる)さんに、今回の植樹会のことや、10年つないだ植樹会への想いを伺いました。

「今回、過去最多の107名の子どもたちがこの苗畑に集まりました。子どもたちが『大きくなーれ』と声をかけながら植樹をする姿を見るのは、毎年楽しみです。初めて植樹をした子どもたちが今はもう高校生くらいの年齢になっていると思うと感慨深いですね。どんぐりの木と子どもたちの成長を見比べて、何かを感じてもらえるとうれしいなと思います」(塚原さん)

取り組みを続けるにはさまざまな挑戦もあったと話す塚原さん。今後の展望についても語っていただきました。

「これまで続けてこられたのは、全国の保育園、幼稚園、こども園の方々、これまで植樹会に参加してくださった方々、そして日本郵政グループの皆さんのおかげです。とても感謝しています。継続することは大切なことだと思いますので、努力を続けながらエリアをもっと広げて"どんぐりの絆"を大きくしていきたいなと思います」(塚原さん)

日本郵政株式会社 広報部の高松 寛(たかまつ ひろし)さんにも、10周年を迎えた植樹会への日本郵政グループとしての想いを聞きました。

「これまで続けてこられたのは、とてもすばらしいことです。植樹会スタートから10周年を迎えましたが、一年一年を積み重ねていくことが大切だと思いますので、これからもできる限りのサポートをしたいと思います」(高松さん)

過去に植えられた苗木の成長を見て、感動したと言う高松さん。今後の取り組みについても伺いました。

「このようなすばらしい取り組みを日本郵政グループのネットワークが支えている。それをとてもうれしく思います。より多くの方に知っていただくとともに、この取り組みだけでなく、全国各地の方々とつながれるような活動をもっと広げていきたいです」(高松さん)

日本郵政グループは、今後も「東北復興グリーンウェイブ」などの活動を通じて、東北の復興、子どもたちの自然体験をサポートしていきます。

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