「チームはすごくいい雰囲気」 日本郵政グループ女子陸上部の北海道合宿に密着!(前編)
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日本郵政グループ女子陸上部「POSTIES」(以下、POSTIES)では、毎年、夏の北海道で長期合宿を行っています。秋のトラック・駅伝シーズンに向けたトレーニングとして、夏は重要な時期。その合宿に密着し、チームの様子をお届けする〈前編〉です。
菅田 雅香(すがた みやか)選手
福岡県出身。2019年入社。2024年4月からチーム4代目のキャプテンを務める。2024年の日本選手権では5000m7位、10000mで5位入賞。
土井 葉月(どい はづき)選手
兵庫県出身。2021年入社。今年はケガからの完全復活を目指す。
牛 佳慧(ぎゅう かえ)選手
静岡県出身。2023年入社。昨年のクイーンズ駅伝では2区のMIR(Most Impressive Runner)賞に輝く。
髙橋 昌彦(たかはし まさひこ)監督
新潟県出身。数々の陸上競技実業団チームでのコーチ、監督を経て、2014年の創部当初から監督を務める。クイーンズ駅伝優勝3回、現在まで8年連続の「クイーンズ8」入りを達成している。
合宿の目的の一つは「身体のベース作り」
POSTIESの毎年恒例となる夏の北海道合宿。今年は8月初旬に網走市からスタートし、士別市に移動。今は合宿後半戦に差しかかるタイミングです。
この日の午前のメニューはサーキットトレーニング。複数の筋トレメニューを組み合わせて行い、筋力アップや瞬発力、持久力の向上を目指すものです。
メニューは10種類。重量挙げのようにバーベルを挙げる「クリーン&ジャーク」や、ケトルベルというおもりを持ち上げながら腹筋する「シットアップ」など筋トレ系のメニューもあれば、二重とび、大きなボールを掲げてカニ歩きする「サイドウォーク」などさまざま。これらを2セットずつ行っていきます。
サーキットトレーニングは一人でやるとなかなかつらいものですが、音楽をかけながら、チーム全員、そしてスタッフのサポートを受けながら行います。
音楽は、選手から曲のリクエストを募って、プレイリストにして流しているとのこと。自分の好きな曲がかかればモチベーションが上がったり、ときどき「これ誰(がリクエストしたの)?」と、思わず笑みがこぼれたりする場面もありました。
秋のトラック・駅伝シーズンに向けて「走り込み」
午前のサーキットトレーニングのあと、昼食と自由時間を挟んで16時から「走り込み」の練習が再開。北海道といっても日中の気温は30度を超えるため、走り込みの練習は日が傾きかける夕方からになります。
「夏合宿というのは、秋のトラック・駅伝シーズンに向けての走り込みという位置づけになります。6〜7割ぐらいの強度でしっかりと走り込んで、土台を作る。秋からのステップアップに備える時期なんです」(髙橋監督)
合宿の拠点である士別市には市営の陸上競技場があり、ここが走り込みの主な練習場となります。トラックのほかにロードコースやクロスカントリーコースもあり、選手の状態や練習メニューによって使い分けることも。
競技場以外にも、付近には整備されたロード練習用の南士別耕地ランニングコースがあり、夏の北海道の快適な気候と合わせて、すばらしい環境でトレーニングすることができます。
夏の北海道でも必要になる「暑さ対策」
陸上競技場に到着後、選手は個々のペースでウォーミングアップを始めます。暑さ対策についても、選手それぞれで工夫しているようです。
「午後の練習だとトラックの半分ぐらいが日陰になっているので、ウォーミングアップのときにはそのあたりを多めに走るようにしています。あとは給水をしっかりとることと、トレーニングの合間に氷や水で手や首を冷やして、体の熱を下げるようにしています」(土井選手)
ウォーミングアップが終わったところで、12000メートルの「変化走」がスタート。レースでのペース変化に対応できる能力を鍛えるため、1000メートルごとにペースを変えながら走る練習です。
1周400メートルのトラックに、100メートルごとにコーンを置いて目印とし、コーチが大きな声でタイムを読み上げます。選手はそれを参考に、ペースを維持していきます。
ペースを上げて周回したあとは、少し落として走り、またペースアップする走りを繰り返していきます。
本来はチーム全員が行うメニューですが、ケガからの復帰を目指している選手やコンディションのすぐれない選手は別メニューで調整します。ペースや距離は監督やコーチと相談しながら、それぞれのメニューをこなしていきます。
今年5月のレース後にケガをし、完全復活を目指す土井選手もそのうちの一人です。
「私はレース後半で疲れてくると、膝下だけで蹴る走りとなり、腰が落ちたフォームになってしまいます。そうならないように、練習では重心を高く保つことを意識して走っています」(土井選手)
コンディションに合わせて練習負荷を調整。「チームはすごくいい雰囲気」
メイン練習後には短いスプリント走を行う選手もいれば、坂道でダッシュを行う選手もいました。
「メイン練習を終えて疲れている中、さらにこれらを行うことで、より心肺機能や筋力を高めることができ、さらには動きの修正を図ることができます」(髙橋監督)
坂道でのダッシュを行ったのは、大西選手、田島選手、牛選手の3名。5本しっかり走り抜きました!
練習を終えた牛選手は、合宿での目標を次のように語ってくれました。
「秋冬に向けてしっかり脚作りをすることをテーマにしています。ケガをせずに合宿の全メニューをこなすことが目標です。駅伝までに5000mのレースがあるので、まずはそこで自己ベストを出すことを目指しています」(牛選手)
キャプテンの菅田選手には、合宿でのチームの雰囲気について伺いました。
「本当にみんな仲がいいし、誰と誰がいっしょになっても会話が弾むくらい雰囲気はすごくいい。一方で、練習のときにはきちんとスイッチが入って、全員が集中モードになります。練習中のリカバリーのときにはみんなが声をかけ合って、お互いに励まし合っていますね」(菅田選手)
日々の積み重ねが、レースでの結果につながります。この合宿では、選手たちは自分のコンディションと向き合いながら、地道にトレーニングを積んでいました。
〈後編〉では翌日のトレーニングの様子に密着しています! ぜひご覧ください。
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