高校生×日本郵政グループ 高校生が日本郵政グループの「脱炭素」について考えてみた
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ようこそ、日本郵政グループへ!
2021年12月15日、日本郵政本社ビル(東京・大手町)の会議室では、いつもと違う風景が広がっていました。スーツ姿の社員と共にデスクを囲んでディスカッションを繰り広げているのは、制服に身を包んだ約20名の高校生。東京都立千早高等学校(以下、千早高校)の生徒の皆さんです。
さまざまな企業や地域コミュニティなどとの共創を目指す日本郵政グループは、SDGsの取り組みに力を入れる千早高校と連携し、サステナビリティに関するさまざまな取り組みを共に実施していくことを計画しています。
今回は、そのキックオフとなる、「脱炭素」をテーマとした意見交換会です。「自分たちが、脱炭素に向けて身近にできることは何か」「郵便局を活用して、どのような脱炭素の取り組みができるか」の2つのテーマについて、千早高校の皆さんがアイデアを出し合い、日本郵政・増田寬也(ますだ ひろや)社長に向けてプレゼンテーションを行います。
「脱炭素」って何だろう?
さて、今回のテーマとなっている「脱炭素」。近年、「カーボンニュートラル」という言葉と共に、いたるところで耳にするようになりました。その理由は、脱炭素が今、喫緊で取り組むべき重要な社会課題の一つと捉えられているからです。
産業革命以降、世界の平均気温は上昇を続けています。その主な原因は、化石燃料の燃焼など、人間の活動から生じた二酸化炭素が、大気中で増加しているためだと考えられています。
地球温暖化は、地球全体の気候を大きく変える「気候変動」を引き起こし、豪雨や海面上昇、干ばつや食糧不足など、私たちの生活に深刻な影響をもたらすとされており、既にその影響や被害が出始めています。
そして、もしこのまま何も手を打たなければ、地球の平均気温は上がり続け、21世紀末には取り返しのつかない被害がもたらされると予測されているのです。
そこで、世界各国が協力して実現させようとしているのが、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出がゼロとなる社会(脱炭素社会)です。温室効果ガスの排出を抑えるとともに、どうしても排出されてしまう温室効果ガスを、植林や森林管理などによって吸収し、温室効果ガスの排出量を「全体としてゼロにする」こと(カーボンニュートラル)を目指しています。
3チームがプレゼン! 増田社長からの講評も
3つのチームに分かれ、脱炭素の取り組みのアイデアをまとめた千早高校の生徒たち。増田社長に向けて、それぞれ3分間のプレゼンテーションを行いました。多くの大人たちを前に堂々とプレゼンテーションを行う生徒たちの姿に、増田社長も大変感心した様子。
「果たして自分が高校生の頃にこんな風に人前で話せたかと思い、大変驚きました。環境についてしっかり考えた上で、郵便局のために提案をしてくださったことが大変うれしく、感謝したいと思います」
冒頭でそう述べると、各チームの提案に対して講評を行いました。
私たちは、二次元バーコード決済や、通帳や切手のデジタル化などを通じたペーパーレス化を提案します。また、全国の郵便局の方が学校を訪問し、地球温暖化について啓発活動を行うとよいと思います。
ありがとうございます。ペーパーレス化、まったくそのとおりですね。切手のデジタル化など、考えていかなければならないと思いました。一方で、私たちは紙に書く良さや手紙文化を残していきたいとも思っています。そこで、廃棄された服から作られた紙やFSC認証紙など、環境に配慮された紙をはがきに採用するなどして、環境負荷の低減と手紙文化の継承を図っています。
書き損じのはがきを使ったオブジェの製作・展示、小学校でのアート教室の開催、中高生向けのプレゼンテーション大会の開催を通じて、企業や個人、社会全体を巻き込んだ、みんなが社会問題や環境について考えるきっかけをつくれたらと思いました。全国ネットワークという日本郵政グループの一番の強みを活かし、全国、そして世界にこれらの活動を広げていければと思います。
ありがとうございます。書き損じのはがきは、郵便局に持ってきていただければ、新しいはがきと交換するとともに、お預かりした書き損じのはがきをすべて再生紙にしているのですが、アートにするという発想はありませんでした。ご提案いただいたような取り組みを通じて、特に若い人たちに環境について啓発したり、私たちの取り組みを紹介したりすることの大切さを改めて認識しました。
社会課題を自分事化できない、アクションに移せない背景には、知識不足があると思います。そこで、社会課題について楽しく学んでもらうため、有名人など影響力のある方と一緒に学校を訪問して出前授業を行うことを考えました。また、二次元バーコードをポストに添付するなど、情報をデジタル化することによって、脱炭素について多くの人に知ってもらえればと思います。
ありがとうございます。二次元バーコードを活用しながら、無駄な紙を使用しないことが大事ですね。一方で、二次元バーコードを使って情報にアクセスしたいと思っていただく必要があります。その意味で、地域について熟知している郵便局長が、その地区に合った方法で出前授業を行い、その場で情報にアクセスしてもらう機会をつくるなど、私たちからアクションを起こすことも大切だと思いました。
意見交換を振り返って
「皆さんよく勉強されていて、とても頼もしく感じました。同時に、郵便局が持つ全国のネットワークを活かして、私たちもしっかり環境問題に取り組まなければいけないという、社会的な使命感を再認識しました」
そう語る増田社長。今後も千早高校との意見交換会を継続的に開催し、どんどん発展させていきたいと期待を膨らませていました。
参加した生徒たちも、今回の交流を経て、ビジネスを通じた社会課題解決への意欲がさらに高まった様子。「次は課題を解決しながら利益を生み出していけるよう、実現性のあるプランを立て、実現に向けたプロジェクトに自分も関わっていきたい」と意欲に溢れていました。
環境だけでなく、さまざまな社会課題に直面している私たち。自分たちだけでは解決できないことも、多様な人々が手を取り合い、「共創」すれば、解決へと近づいていくことができるかもしれません。
さまざまな人々の意見に真摯に耳を傾けながら、サステナビリティの推進へ結び付けようとしている日本郵政グループ。今後も、その取り組みを続けていきます。