【グループ企業探訪記】企業の成長支援や地域活性化に貢献! JPインベストメント株式会社が担う使命とは?

【グループ企業探訪記】 JPインベストメント株式会社

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日本郵政グループのさまざまな関連企業を巡り、働く人たちの想いや、企業の風土などを取材する企画「グループ企業探訪記」。今回取り上げるのは、2018年2月、プライベート・エクイティ・ファンドの運用会社として設立された、JPインベストメント株式会社。投資のプロフェッショナルが集まる同社について、代表取締役社長 古宮 博幸(こみや ひろゆき)さん、バイアウト投資部の天児 泰隆(あまこ やすたか)さん、投資アドバイザリー部の郭 夏(ごう しゃあ)さん、地域・インパクト投資部の岩田 州靖(いわた くにやす)さんにお話を伺いました。

古宮 博幸(こみや ひろゆき)さん

JPインベストメント株式会社 代表取締役社長

古宮 博幸(こみや ひろゆき)さん

1977年、日本興業銀行入行。みずほ信託銀行常務執行役員、DIAMアセットマネジメント(現アセットマネジメントOne)常務取締役などを経て、2016年からゆうちょ銀行監査委員会事務局統括役を務める。2019年4月に現職であるJPインベストメント株式会社代表取締役社長に就任。

天児 泰隆(あまこ やすたか)さん

JPインベストメント株式会社 バイアウト投資部 ディレクター

天児 泰隆(あまこ やすたか)さん

外資系の投資銀行に新卒入社し、主にM&Aのアドバイザリー業務を7年担当。その後、プライベート・エクイティ・ファンドを経て、2018年11月、JPインベストメントに入社。

郭 夏(ごう しゃあ)さん

JPインベストメント株式会社 投資アドバイザリー部 ヴァイスプレジデント

郭 夏(ごう しゃあ)さん

大手都市銀行を経て、コンサルティング会社に転職し、上場・非上場企業の株価算定や資産価値算定を行う業務に従事。その後、MBAを取得するため2年間留学し、コンサルティング会社に復職。2020年9月、JPインベストメントに入社。

JPインベストメント株式会社 地域・インパクト投資部 専門役

岩田 州靖(いわた くにやす)さん

2010年、株式会社ゆうちょ銀行に入社。直営店で窓口業務を経験後、本社営業部門にて、貯金の調達計画の策定や予実管理業務に携わる。政府系金融機関に2年間出向し投資業務を経験した後、2020年4月にJPインベストメントへ出向となり、現在に至る。

プライベート・エクイティ・ファンドに取り組む意義と使命

――まず、JPインベストメント設立の経緯についてお聞かせください。
古宮: JPインベストメントは、2018年2月に、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の協力のもと、資金運用の高度化・多様化を図る一環で設立されたプライベート・エクイティ・ファンド(以下、PEファンド)の運用会社です。プライベート・エクイティ(PE)というのは、非上場企業の株式のことです。例えばベンチャー企業などはまだ成長過程にあり非上場であることが多いのですが、PEファンドは、一般に、そうした非上場で潜在的な成長力を持つ企業への投資を行う(株式を取得する)ことで成長を支援するとともに、出資先の企業価値が高まることにより収益の拡大を図ることを目的としたファンドです。弊社は、成長過程にある企業を支援することを通して社会のさまざまな課題の解決を図り地域の活性化に資することを使命に、主に日本とアジアを中心にプライベート・エクイティ投資(以下、PE投資)を行っています。

ちなみに、JPインベストメントを官民ファンドだと誤解されることがたまにあるのですが、そうではありません。弊社の投資運用は、あくまで弊社が、独立した業務執行を行っています。そこは自負でもあり、声を大にしてお伝えしたいですね。

――JPインベストメントが投資先の選定にあたりポイントにしていることは何でしょうか?

古宮:弊社の経営理念は、「長期的な投資の力で社会のさまざまな課題を解決し、持続可能で活気ある社会を実現することを使命とする」です。これが弊社の根幹をなす社会的使命であり、まさにこの言葉に尽きると思っています。

日本郵政グループは、全国の郵便局ネットワークを通じて、地域に根差したサービスを提供しています。私たちJPインベストメントも、グループの一員として、地域経済の活性化に資するような投資を行っていくことこそが使命であり、経営の軸として決してブレてはいけない部分だと思っています。

日本郵政グループをバックボーンとする信頼感

――他社にはない強み、特徴的な部分とはどういったところだとお考えでしょうか?

古宮:弊社は、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の共同出資により設立された会社ですが、 ファンドの運用においては、ゆうちょ銀行とかんぽ生命からの投資資金だけではなく、機関投資家数社からも資金を拠出していただいて運用を行っています。決して少なくない資金をお預かりするにあたり、日本郵政グループにはこれまでの長い歴史のなかで地域に根差しながら積み上げてきた信頼感や安心感がありますから、日本郵政グループの一員であることでお客さまに信頼感、安心感を持っていただけることは、やはり弊社にとって最大の強みだと感じております。

――先ほどJPインベストメントのミッションとして「資金運用の高度化・多様化を図っていくこと」というお話がありましたが、その実現に必要な要素とは何なのでしょうか?

古宮:どこの投資会社もそうだと思いますが、金融というのは最後は「人」なんです。どれだけ優秀な投資のプロフェッショナルがそろっているかが重要な要素。特に弊社の場合はPE投資ですから、しっかりとした目利き力がないと投資家に迷惑をかけてしまいます。だからこそ弊社では、金融業界でキャリアを積んでいる投資のプロフェッショナルを外部から積極的に採用しています。さらに、管理部門やバックで支える部門にも同様にそれぞれのプロフェッショナルを迎えています。

また、これは弊社の特徴でもあるのですが、ゆうちょ銀行とかんぽ生命からの出向者が、投資のプロフェッショナルたちを支えています。この取り組みには人材育成の意味もあります。投資のプロフェッショナルが集う弊社でゆうちょ銀行、かんぽ生命の社員を投資の観点で育成していく。もちろん一定の時間はかかりますが、投資部門の人材育成も日本郵政グループにおける弊社のミッションの一つと考えています。

投資部門メンバーが語る会社の魅力

――皆さんの所属部署と業務内容を教えてください。

天児:私が所属するバイアウト投資部は、日本全国およびアジアのPEファンドから案件ごとにご紹介をいただき、そこに対して資金を拠出するかどうかの判断を行うのがメインの仕事になります。さまざまな側面から投資に見合う案件かどうかを分析し、投資判断を行うのが主な仕事です。

郭:投資アドバイザリー部は、投資助言業務を行っています。そのなかで私は、国内ベンチャー企業への出資に対して投資助言を担当しています。

岩田:私が所属する地域・インパクト投資部は、地域で事業を営んでいる企業への投資や、事業承継の課題を抱えている企業の株式の引き受けを行っているほか、社会課題の解決につながるようなビジネスをしているベンチャー企業への投資を担当している部署になります。私自身は、投資フロント業務を担当しています。

――設立から5年目と、まだ新しい会社ではありますが、JPインベストメントの企業風土や文化をどのように感じられていますか?

天児:私のように投資銀行出身の人もいれば、弁護士や会計士出身の人もいるなど、多様なバックグラウンドを持つ人が集まっています。それは他のチームも同様で、相互に案件チームを超えて相談しあえる環境にあるのはとても魅力的だと思っています。

また、「ファミリーファースト」という考えも浸透しています。まだ幼い子どもがいるスタッフも多く、子どもが風邪をひいたときや、運動会やイベントに参加するために休暇を取ることもありますが、チームとしてその穴を埋めるという共通認識があります。チームメンバーがお互いにカバーしあう文化があることで、安心して働けますし、働きやすさとしては最高によい環境だと感じています。

郭:入社前のイメージとしては、新しい会社とはいっても日本郵政グループの企業なので、しっかりとした規律のある組織だと思っていました。もちろん、そこにズレはないのですが、スタートアップ企業に近い自由さもある。私が求めていたバランス感のある企業だと感じています。

留学後、次の職場としてベンチャーキャピタルを希望していたなか、ご縁もあってJPインベストメントに入社することになったのですが、JPインベストメントでは自分が経験したことのない業界や技術、サービスを知ることができ、常に新しいことを学べる機会がたくさんあります。日々、知的好奇心が刺激され、満たされる職場だと思います。

岩田:私はゆうちょ銀行から出向してきている社員ですが、この会社は日本郵政グループ外から転職してこられた方がたくさんいます。皆さんバックグラウンドも違えば、経験してきた領域も異なっていて、かなり個性的なメンバーがそろっています。普通は異なる個性の人たちが集まると意見や方向性が合わず、時には衝突しそうなものですが、この会社は違います。お互いの考え方や経験の違いを踏まえたうえで、投資によって収益を上げるという一つの目標に向かっている。まさに、プロフェッショナル集団だと思っています。

それに加えて、新しいことにチャレンジしていく姿勢が会社の根底にあると感じています。自分たちには新しい分野を切り開く役割があり、それを担っていくんだという空気が社内にありますね。

業務を通じた社会課題の解決、社会貢献に向けて

――先ほど古宮社長から、経営理念にある社会的使命についてお話を伺いました。皆さんは、どのような想いをもって業務に取り組まれているのでしょうか?

天児:これはかつて上司に言われたことなのですが、「プライベート・エクイティ業界は、多くのケースでwin-winが成り立つ」と。投資した会社が成長することで新たな雇用が生まれ、働いている人たちの給料も上がる。頑張りが報われるわけですよね。一方、投資をしたファンドの人たちも売却によってリターンを得る。そのリターンが出ることによって、われわれも運用益が出る。投資が成功すれば、全員がある種の利益を得ることができます。

いかにして、win-winの関係が成立するような案件を生み出していくか、誰もが幸せになれるような案件、社会的な課題解決も含めた案件を見出せるかどうかを日々考えています。われわれの努力によって、世の中に幸せな人が増える。そんな想いをもって業務に取り組んでいます。

郭:社会的使命ということでは、自分の仕事が今後の日本経済の発展に寄与するようにという想いをもって日々の業務に取り組んでいます。また、投資業務そのものはもちろんですが、今後、例えばファンド規模が大きくなったり、投資領域が拡大していったりすることなどがあった場合にも備えて、それに対応できるチーム作りをどのようにすべきか、上席とも議論し考えるようにしています。

弊社は設立以来、会社の成長とともに、社員も増え、業務の幅も広がってきています。業務の拡大に対して、どう自分をスキルアップさせていけばよいのかを常に考えています。

岩田:JPインベストメントの投資資金には、ゆうちょ銀行やかんぽ生命からの出資を多く含むのですが、その先には両社に大切な資産を預けてくださっているお客さまがいます。私もゆうちょ銀行の直営店で実際にお客さまと接した経験がありますので、自分たちが運用している資金の背景には、全国のゆうちょ銀行、かんぽ生命のお客さまの存在があることを常に意識するようにしています。特にゆうちょ銀行からの出向者である自分はそうしたことを強く意識するべきだと、それが私のこだわりであり、常に考えていることですね。

企業として目指す未来像とは

――最後に古宮社長に伺います。JPインベストメントという会社の未来像を、どのように描いているのでしょうか?

古宮:現在、長く続いた低金利政策が、ゆっくりとではあるが徐々に修正されつつありますが、まだまだ経済の先行きは不透明です。一番安全だと考えられている日本国債への投資だけでなく伝統的な株式や債券投資以外への投資、いわゆるオルタナティブ投資のウェイトが増しています。この環境は、そう簡単には変わらないでしょう。

かかる状況下にあってJPインベストメントに課せられたミッションは、引き続き運用の高度化・多様化の一翼を担っていくことだと考えております。PE投資は中長期での投資が主体となりますので結果が出るまでには時間がかかるのですが、しっかり企業を見極めたうえで投資を行い、モニタリング活動にも注力し、バリューアップを図り最後はExitに持っていく。繰り返しになりますが、その活動が地域経済の活性化につながり、弊社の経営理念である持続可能で活気ある社会の実現にもつながると思っています。「未来は常に現在の意思決定から創造されることを念頭に、長期的な視点において価値を創出する投資」を実行し社会に貢献できる会社でありたいと思います。

――そのためには、人材の育成と成長が不可欠なわけですね?

古宮:おっしゃるとおりです。「善意と向上心を前提とした組織運営」を心がけています。今日インタビューいただいた若手社員3名は、どのようにお感じになられたかわかりませんが、大変しっかりしておりよく頑張ってくれていると思います。引き続き人材の強化を図るとともに、優秀な投資のプロフェッショナル人材に「JPインベストメントで働きたい」と思ってもらえるような魅力的な会社にしていきたいですね。

25名ほどからスタートして、現在では出向者を含めて60名ほどが所属する会社となりましたが、これを単に2倍3倍の規模にしたいということではないんです。そうではなく、少数精鋭のプロフェッショナル集団に育て上げていくことで、より魅力的な組織にしていきたい。それを実現することが私自身に課せられたミッションだと考えていますし、理想とする会社の未来像だと思っています。

※撮影時のみマスクを外しています。

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