渋谷に期間限定オープン! 日本初"KAWAII"がコンセプトの「ズッキュン♡郵便局」とは?
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日本郵政の社長直轄組織「JP未来戦略ラボ」は、昨年度、郵便局の将来を担う新しいアイデアを募集したグループ内コンテスト『みらいの郵便局コンテスト』を開催。集まった1,402作品のなかから、"KAWAII"をテーマにした渡辺 佳澄(わたなべ かすみ)さんの作品「KAWAII P.O.」が日本郵政社長賞を受賞し、2023年8月17日(木)~30日(水)の期間限定で、「ズッキュン♡郵便局」として渋谷にオープンすることに。今回は受賞者の渡辺さんのほか、コンテスト担当者であるJP未来戦略ラボの野邊 卓也(のべ たくや)さんと田口 さくら(たぐち さくら)さんに、コンテストの目的や企画実現化に向けた想いなどについてお話を伺いました。
八王子椚田郵便局
渡辺 佳澄(わたなべ かすみ)さん
2018年6月より八王子椚田郵便局に勤務。窓口業務を担当。昨年夏に開催された『みらいの郵便局コンテスト』に応募した作品「KAWAII P.O.」が日本郵政社長賞受賞。
日本郵政株式会社 JP未来戦略ラボ マネージャー
野邊 卓也(のべ たくや)さん
2012年、郵便局株式会社(現:日本郵便株式会社)に入社。本社金融業務部や新東京郵便局などの勤務を経て、2021年、本社人事部の秘書担当に配属。7月のJP未来戦略ラボ発足と同時に兼務。
日本郵政株式会社 JP未来戦略ラボ 主任
田口 さくら(たぐち さくら)さん
2019年、日本郵便株式会社に入社。新潟市内の郵便局や中国支社金融業務部での勤務を経て、2022年より現職。
応募総数1,402作品!「あったらいいな」をかなえる『みらいの郵便局コンテスト』
――『みらいの郵便局コンテスト』の立ち上げの経緯を教えてください。
野邊:このコンテストは、5年後、10年後、20年後の郵便局の姿を描いた、それぞれの自由な「みらいの郵便局」のアイデアを募集したものです。私たち日本郵政グループは、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現を未来への課題として掲げています。そのために、今回のコンテストを通して、日本各地で働く社員が考えるアイデアや各地域のニーズを募りたいという想いがありました。
田口:昨年の7月下旬から8月までを応募期間として、日本郵政グループの全社員を対象に、お客さまの生活に寄り添う郵便局の将来を担う新しいアイデアを募集しました。すると、初開催にもかかわらず、1,402作品もの応募があったんです。そのなかで、日本郵政社長賞を受賞したのが、"KAWAII"をテーマにした渡辺さんの作品です。
――皆さんから集まった作品を見て、いかがでしたか?
田口:約1カ月の応募期間で、こんなにも多くの方から応募いただいたことにまず驚きました。たくさんの時間をかけて内容を練り上げてくださっていると感じる作品も多く、皆さんの熱意が伝わってきて、とてもうれしかったです。作品の傾向として、明るい未来像を表現したものが多かったのも印象的でしたね。
――渡辺さんは、全国から寄せられたたくさんの応募作品のなかで日本郵政社長賞を受賞されました。どんな想いでコンテストに応募されたのでしょうか。
渡辺:「今の郵便局にないものを作ってみたい!」というのが応募の動機でした。用事があるから郵便局に行くというだけでなく、今まであまり郵便局とかかわることがなかった方にも「おもしろそう!」「行ってみたい!」と思ってもらえるような、郵便局をポジティブなイメージのある場所にしたい。そんな想いを込めて、日本のKAWAII文化を取り入れた、私の思う"KAWAII"をテーマに作品を考えました。
私は郵便局の窓口で働いているので、現場で働く側の目線も作品に取り入れました。例えば、かわいい制服を用意するというアイディアは、自分が学生のころに「あの高校の制服、かわいくていいな」という気持ちが進路を決める一助になった経験を参考に、仕事でも、かわいい制服で働けるということは、働く側のワクワクにつながると思ったんです。また、今の若い世代の方もかわいい制服を見ると「かわいい!」「着てみたい!」などワクワクする方も多いと思うので、そういった方へのアピールにもなったらいいなと思いました。
"KAWAII"を突き詰めるため試行錯誤!「ズッキュン♡郵便局」の実現に向けた日々
――渡辺さんの作品が選ばれたポイントはどういうところだったのでしょうか? また、実現に向けて、具体的にどのように進めていきましたか?
田口:これからの日本を担う若者世代に訴求するコンセプトであるとともに、これまでの郵便局のイメージを塗り替え、明るく発信できるアイディアという点が審査員からの高評価につながりました。
「KAWAII P.O.」を具現化するにあたっては、発案者である渡辺さんからも追加のアイディアをもらうなどし、話し合いながら検討を進めました。結果として、想いを届ける象徴かつ"KAWAII"の象徴であるハートをモチーフに、相手の心を射抜きたいという想いから、ハートに矢を重ねた「ズッキュン♡郵便局」として実施することになりました。
野邊:個人的には"KAWAII"という感覚をつかむために、KAWAII文化について書かれている論文を読んだり、渋谷や原宿へ出向いてお店を見て回ったり、自分でも内装のデッサンを描いてみたりして、自分なりに"KAWAII"を勉強したんです。ただ、ちゃんと勉強すればするほど、結局"KAWAII"って理屈じゃないんだってことに気づきました(笑)。
――進めていくなかで難しかったことはありますか?
野邊:どのプロジェクトでも同じだと思いますが、実現には、多くの方から理解を得て、協力していただく必要があります。多くの関係者と同時並行で取り組みを進めていくのは大変でした。例えば、実際に店舗を営業するとなると、人手が必要です。「ズッキュン♡郵便局」は、25名ほどの若手社員にも協力してもらうのですが、通常業務があるなかで協力してもらうことになるので、その調整のために支社や郵便局の皆さんと打ち合わせを重ねました。ほかにも多くの関係者に協力いただいて取り組みを進めてきましたが、このプロジェクトに賛同いただき応援してくれる方が多かったのはうれしかったです。このプロジェクトを通じてかかわった皆さんにとても感謝しています。
また、単に"KAWAII"を追求するだけでなく、利用者の方にとってわかりやすいものとしなければならないので、そのバランスをとる難しさがありました。例えば、"KAWAII"というコンセプトのもと、オリジナルのポストカードを検討した際、当初はハート型のカードを企画したのですが、ハート型だと通常のはがきとは取り扱い方法が異なるので、手紙を初めて送る方や久しぶりに送る方にとってわかりにくいと考え、通常のはがきを用いつつハートのイラストを描いたデザインとすることにしました。
郵便局がより親近感と期待感をもっていただける存在になれたら
――今回のプロジェクトによって、どんな効果を期待していますか?
田口:これから大人になる10代の方に「郵便局って意外とイケてるじゃん!」というポジティブなイメージが伝わったらうれしいです。「ズッキュン♡郵便局」をきっかけに、郵便だけでなく銀行や保険など日本郵政グループが提供するさまざまなサービスに興味をもってもらえたらいいなと思っています。
野邊:従来のイメージとは異なるコンセプトをもった新しい郵便局を作っていく第一歩になればと、期待しています。
渡辺:「ズッキュン♡郵便局」は、ネイルOK、髪型やアクセサリーも自由なので、「明日はあのピアスつけようかな!」などと、社員がワクワクすることで、郵便局で働くことへのモチベーションアップにつながったらいいなと思っています。また、今回、私の作品が受賞しただけでなく、1年という速さで実現していただけたことにも驚きましたし、「一郵便局の一社員の声もちゃんと会社に届くんだ!」という喜びもとても大きかったです。日本郵政グループで働いている多くの社員の方にとっても、グループの柔軟性や多様性を知り、郵便局で働くことに対して誇りをもつことができたり、「自分の会社、結構好きだな」と改めて思ってもらえたらうれしいです。
――8月17日(木)よりオープンする「ズッキュン♡郵便局」をお客さまにどのように楽しんでもらいたいですか?
野邊:「ズッキュン♡郵便局」をきっかけに、手紙を送る楽しさと、受け取るうれしさの両方を味わってもらいたいです。今回、初めて手紙を書くという人もいるかもしれません。「手紙って、こんなにかわいく送れるんだ!」と存分に楽しんでいただけたらうれしいです。
田口:遊びに行く感覚で「ズッキュン♡郵便局」を体験していただき、「日本郵政グループってこういうこともやってるんだ」という新しい発見につながったらありがたいです。また、郵便局をもっと身近に感じていただき、若い世代の方にも「将来、郵便局で働いてみたいな」と魅力を感じてもらえたら、より一層うれしいです。
渡辺:お客さまも働いている社員の方も、みんなが笑顔になったらいいなというのが一番です。「ズッキュン♡郵便局」で楽しい気持ちが広まってくれたらうれしいですね。 "ズッキュン♡"ということで、この夏はぜひ皆さん心を動かしに来てください!
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