郵政にまつわるエトセトラ Vol.4 郵便貯金の歴史~貯蓄思想を普及させるため前島密がとった驚くべき行動とは?~

郵政にまつわるエトセトラ Vol.4 郵便貯金の歴史~貯蓄思想を普及させるため前島密がとった驚くべき行動とは?~

INDEX

日本郵政グループにまつわる雑学や豆知識をご紹介する本企画。本日5月2日は「郵便貯金の日」ということで、今回は「郵便貯金の歴史」をテーマに、日本で郵便貯金が始まった経緯や貴重な創業当時の貯金通帳などをご紹介します。(※)

(※)「通常郵便貯金」「通常貯蓄貯金」は、2007年10月1日をもって、ゆうちょ銀行に承継され、それぞれゆうちょ銀行の「通常貯金」「通常貯蓄貯金」となりました。

世界初の郵便貯金制度はイギリス! 日本は何番目?

世界で初めて郵便貯金制度をつくった国はイギリスで、1861年に創設されました。
日本で郵便貯金を創業したのは、1875年のこと。「日本近代郵便の父」と呼ばれる前島 密(まえじま ひそか)が、世界に先駆けて近代郵便制度を実施していたイギリス滞在中に、同国の郵便局が郵便のほかに貯金や為替を取り扱い、国民の生活や国家の発展に大きな役割を果たしているのを見て、帰国後に日本でもこの制度を導入することにしたのです。郵便貯金の制度を導入したのは、世界のなかで、イギリス、ベルギー、ニュージーランドに次いで4番目です。

ちなみに、日本で郵便貯金を創業した日付が5月2日であったことから、1950年、郵政省(当時)は5月2日を「郵便貯金の日」と制定しました。

(写真:郵政博物館提供)

貯蓄思想を普及させるため前島密がとった驚くべき行動とは?

この「貯金」という新しい制度は、創業当時は貯蓄の風習が根付いておらず、なかなか一般に理解されなかったそうです。そこで前島密は何を行ったのか? なんと自分のお金を出したのです。前島密は自らのお金を人々に渡し、そのお金を貯金発端金として貯金してもらうなど、貯蓄思想の普及には苦心しました。
なお、創業時は単に「貯金」と呼ばれていましたが、銀行のものとの混乱を避けるため、1887年に「郵便貯金」に改称されました。

昔懐かしの通帳も? 姿を変えてきた貯金通帳の今昔

日本での郵便貯金制度の開始にあたり、最初に作られた郵便貯金通帳がこちらです。当時の名称は「貯金預渡通帳」でした。

(写真:郵政博物館提供)

1885年には「駅逓(えきてい)貯金通帳」に改められました。

(写真:郵政博物館提供)

「郵便貯金通帳」という名称になったのは、1889年です。

(写真:郵政博物館提供)

1921年の郵便貯金通帳

(写真:郵政博物館提供)

1953年の郵便貯金通帳

(写真:郵政博物館提供)

1999(平成11)年の郵便貯金総合通帳
「ぱ・る・る」という名称に聞き覚えがある方も多いのではないでしょうか。

(写真:郵政博物館提供)

現在のゆうちょ銀行の総合口座通帳

(写真:郵政博物館提供)

いかがでしたか。150年近い歴史のなかで、貯金通帳も大きく変化していますね。近年はデジタル上での貯金管理も一般的になり、2020年には、普段お使いのスマートフォンで簡単に利用できる「ゆうちょ通帳アプリ」も登場しました。次の100年、どのように移り変わっていくのか楽しみですね。

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