古里の味をお客さまの思いとともに届ける(いわき鹿島郵便局)

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絶品の海の幸、水産加工品

捕れたばかりの新鮮なウニをホッキの貝殻に盛り付けて焼き上げる「ウニの貝焼き」。生ウニより濃厚な味と香ばしさが特徴でいわき市を代表する名産です。「ゆうパック」などで地元の海産物を全国に発送している、いわき鹿島郵便局(福島県いわき市)の佐藤 佐紀子(さとう さきこ)さんに話しを聞きました。

――いわき市の魅力を教えてください。

佐藤:一年中、気候が安定しているので過ごしやすい地域です。郵便局にはその土地にゆかりのある風景や名所を描いた風景印があります。いわき市は観光スポットが多いので、風景印も魅力的。風景印のために窓口に来られる方もいます。さらに、太平洋に面したいわき市の沖合は寒流と暖流が交わる豊かな漁場です。「常磐(じょうばん)もの」と呼ばれる海の幸、水産加工品は絶品です。ウニの貝焼きはとても美味しいです。私はワサビを添えてお醤油をかけてご飯のお供としていただきますが、お酒のツマミにも最高です。ウニの貝焼きは贈り物としても大変人気です。

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いわき市名産のウニの貝焼き(①)、アワビの磯煮(②)

あたたかい雰囲気づくり

――どのような気持ちで取り扱っていますか?

佐藤:私自身、大学進学後、久しぶりに帰郷し、地元の郵便局で働く方の地元なまりを聞いて「古里に帰ってきたな」と居心地の良さを感じました。私も人を安心させる仕事に就きたいという思いが原点になっています。笑顔も大事ですが、「あいさつ+1(プラスワン)」を意識し、あたたかい雰囲気づくりを心掛けています。

近年、コロナ禍でご家族や親せき、友人と会えない方が多いですよね。古里の味を贈る方も増えたように感じます。贈る方も相手の喜ぶ姿を思い浮かべると笑顔になるでしょうし、受け取られた方も喜びます。懐かしい味に心の距離も縮まると思います。中には、贈り物を受け取られた方のお写真や動画を見せてくださる方もいます。先日は、小さいお孫さんが商品を受け取って大喜びしている後ろ姿の動画を見せてもらいました。私も心があたたかくなります。お客さまの喜ぶ姿を見ることは、郵便局で働いて良かったと思う瞬間ですね。

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古里の味を贈る

――東日本大震災から10年が過ぎました。影響はありますか?

佐藤:いわき市の中之作郵便局に勤務していました。社員もその場にいたお客さまも近くの小学校に避難して無事でしたが、停電と断水で閉局せざるを得ませんでした。2週間後に開局しましたが、郵便局に来られていた顔見知りの方が行方不明、または亡くなったと聞きショックでした。そのころの接客は笑顔でというより、お客さまのお話しを聞くことに徹しました。当時のことをお話しされるお客さまがたくさんいましたし、中には漁業にたずさわった方もいらっしゃいました。大変だった出来事を話すことで少しでもお客さまのお気持ちが軽くなればという思いがありました。

震災があり、家庭の事情で進学やお仕事、結婚などで地元を離れた方もいらっしゃいますし、やむなく離れて暮らさなければならない人もたくさんいます。古里を離れざるを得なかった方々にいわきの味を届けたい。懐かしい味を食べてほしい。古里を思い出してほしい。目の前にいらっしゃるお客さまの思いと、その贈られるお相手の思いを想像しながら、商品を取り扱っています。

思いをお取り扱いできる仕事

――これからの展望をお聞かせください。

佐藤:郵便局は、送り手の思いの詰まったお手紙や贈り物を相手に送る、人と人をつなぐ存在だと思っています。人の思いをお取り扱いできる仕事は、とてもやりがいがあります。郵便局のサービスを通じてお客さま同士のつながりがより深まったり、新しいつながりが生まれれば嬉しく思います。これからも地域のお客さまにとって安心できる存在でありたいです。

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※郵便局の「ふるさと小包」では各種産品を販売していますが、時期によって取り扱っていない商品がございます
※撮影時のみマスクを外しています

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