街とつながるJP百景 Vol.6 鉄道×郵便! 郵便局と駅の融合で目指す地域活性

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日本全国にある2万4,000もの郵便局。それぞれの郵便局の景色は、その街で働く人、暮らす人とのつながりによって作られています。本企画では、地域と協力しながら、ユニークな取り組みをして独特の景色を作りだしている郵便局をピックアップ。第6回は、千葉県鴨川市西江見 江見駅郵便局を紹介します。

日本初!郵便局と駅窓口業務の一体的な運営を行う「江見駅郵便局」

JR東日本・外房線と内房線の終点である安房鴨川駅から、内房線で2駅隣にある「江見駅」。南房総の豊かな自然に囲まれた江見駅の敷地内にあり、駅業務の取り扱いも行う郵便局が「江見駅郵便局」です。

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以前は鴨川市の別の場所にあった江見郵便局がJR江見駅の敷地内に移転し、江見駅郵便局として開局しました
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到着した電車とJR江見駅・江見駅郵便局

「2018年6月に、日本郵便とJR東日本は、互いに連携協力することにより、一層の地域・社会の活性化に貢献することを目的に、『日本郵便とJR東日本の地域・社会の活性化に関する協定』を締結しています。この協定に基づき、「郵便局と駅の機能連携」として、無人駅となっていた内房線江見駅の敷地内に新たに郵便局舎を建設し、全国初となる郵便局と駅の窓口業務の一体運営を行う、江見駅郵便局が2020年8月31日に開局しました


そう語るのは、江見駅郵便局長の若月 功一(わかつき こういち)さん。現在、江見駅郵便局の営業時間中、若月さんを含む3名の社員で、通常の郵便局業務に加えて切符の販売や到着した際の切符の回収、乗り越し精算の対応などの駅業務も担当しています。また、電車の事故や遅延などが発生した際には、近隣の安房鴨川駅からの連絡を受けて、代行バスの乗り場のご案内なども行っています。

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江見駅郵便局の局長の若月さん。
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郵便局の窓口の隣に、JR窓口が。郵便局の営業時間内に若月さんらが切符の販売なども対応します

「江見駅は約1年間、無人駅だったのですが、郵便局と一体運営になったことで、利用者の方から『駅に人がいて安心だ』といったお声を聞くことがよくあります。そういった声をいただけるのは、喜びややりがいにつながっています」(若月さん)

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かつて郵便物を運送していた郵便・荷物電車をイメージしたラッピングポスト。こちらも江見駅郵便局ならではです

大盛況となった「鉄道×郵便 フェスティバルin江見」

そんな内房線江見駅と江見駅郵便局で、2023年3月12日(日)に開催されたのが、鉄道×郵便 フェスティバルin江見」。約700名もの来場者で盛り上がった同イベントの様子をレポートします。

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午前10時の開始と同時に、続々と来場者が
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JR東日本千葉支社のマスコットキャラクターである駅長犬(左)、郵便局のキャラクターのぽすくま(中央)、ゆうちょ銀行のゆうちょPay公式キャラクターであるペイレンジャーのペイグリーン(右)が登場。写真撮影は、子どもたちに大人気でした!お客さまも笑顔でパチリ!

会場には、キャラクターが登場したほか、「子ども制服体験」、「郵便配達用バイク展示」、「踏切模擬装置」、「発車ベル装置(簡易型自動放送装置)体験」、「切手に見る日本の鉄道パネル展示」、実際に遊べる「プラレール展示」、「プレゼントコーナー」などなど、たくさんのコーナーが。


また、通常日曜日は江見駅郵便局の窓口の取り扱いはありませんが、今回はイベント開催に合わせて臨時開局しました。江見駅郵便局内では、児童向けDVD「おたよりがとどくまで」の上映や、このイベントのために用意した小型印の押印も行われ、鉄道ファンも郵便ファンも、そして子どもから大人まで楽しめる催しでした。

江見駅と電車がデザインされた風景印(左)、「駅長犬」と「ぽすくま」をデザインしたこのイベントの記念日付印(右)
※右の小型印は押印の受付を終了しています。
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ぽすくまグッズと電車の塗り絵を受け取り、笑顔を見せる子どもたち
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子ども用の駅長の制服を着て、安房鴨川駅長の山田 茂夫(やまだ しげお)さんとの記念撮影!鉄道好きで、このイベントを楽しみにしていたそうで、ポーズも決まっています
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郵便車のミニカーを持ち歩くほどのファンだそう。歴史ある郵便制服をイメージした衣装を着て、「郵便配達用バイク展示」コーナーの電機自動車(EV)にまたがって記念撮影!
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「踏切模擬装置」での非常ボタン体験に挑戦。しっかりと、非常ボタンを押していました

「踏切模擬装置」では、JR東日本の職員が踏切内で倒れる演技を披露し、それを発見した来場者の方が非常ボタンを押すという体験が行われていました。非常ボタンを押すと警報音が鳴り、赤いランプが点滅する仕組みですが、職員の熱演に、ドキドキしながらも勇気を出して非常ボタンを押す子どもたちの姿が印象的でした。

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「発車ベル装置(簡易型自動放送装置)」のブースには、行列が。鉄道ファンにとってJRの体験イベントは貴重な機会なのだとか
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「切手に見る日本の鉄道」の展示コーナー。開業時の機関車『150型』や、デコイチの愛称で知られている日本の代表機関車「D51型」など、24枚のパネルが展示されました

今回のイベントは、JR東日本千葉支社と日本郵便関東支社が主催し、江見駅郵便局とのコラボレーションによって実現しました。今回のイベント開催や普段の江見駅郵便局との一体運営について、JR東日本 安房鴨川駅 副長の武藤谷 賢(むとうや けん)さんにお話を伺いました。

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安房鴨川駅の副長を務める武藤谷さん。イベントの盛況ぶりをとても喜んでいらっしゃいました

「当社では「コトづくり」として、2020年度から、地域、特に鴨川市を盛り上げようという取り組みを行ってきました。その一環で、2021年度も江見駅郵便局と合同でイベントを実施しましたが、『2022年度はさらに内容をブラッシュアップして開催したい!』というメンバーの想いを若月局長に相談し、今回のような形で実現しました。約700名ものお客さまにいらしていただくことができ、このようににぎわっている江見駅を見るのは初めてで驚きました。お子さまたちが制服を着用して写真を撮ったり、踏切の仕組みを学んだりする笑顔にあふれた姿を見ることができて、大変うれしく感じました。地域の観光資源を生かし、渋滞知らずの鉄道を利用して頂き、付加価値の高い交流や、南房総地域ならではの体験ができる街づくりに貢献したいと思っていますので、今後も江見駅郵便局といっしょに鴨川市を盛り上げていけたらと考えています」(武藤谷さん)



また、郵便局との一体運営の効果や感想、利用者からの反応についても伺いました。
「郵便局の営業時間は日中帯ですが、切符の販売や乗り越し精算などの駅業務やご案内があることで、安心してご利用いただけており、お客さまからもとても好評です。また、若月局長が鉄道に詳しく、細かなご案内も行っていただいており、大変心強く感じています」(武藤谷さん)

鉄道と郵便局の融合で広がる地域活性の輪

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「江見駅の利用者は1日平均50人ほどなのですが、イベントを実施したり、何か特色をつくることで、地元以外の方にもぜひ列車に乗っていただき、鉄道の利用者を増やしていけたらと思っています。」(若月さん)

若月さんはこういった想いから、日々の業務や今回のイベントの企画提案だけではなく、スマートフォン用ゲームアプリ「ステーションメモリーズ!(略称:駅メモ!)」「駅メモ! Our Rails(略称:アワメモ!)」(以下、「駅メモ!」シリーズ)と連動したキャンペーンの企画などにも携わってきたそう。江見駅郵便局の「応援特使」として、「駅メモ! 」シリーズの「友荷(ゆうに)なより」が就任しており、ファンも多く訪れ、交流しているのだとか。

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JR東日本×江見駅郵便局×「駅メモ!」シリーズ 房総の旅キャンペーンの看板
※現在はキャンペーンは終了しています。

最後に、若月さんに今後の目標を伺いました。

「社会的なインフラとして地域のみなさまの生活になくてはならない機能を果たしつつ、皆さまに安心していただけるような郵便局運営、駅運営を目指していきます。そして今後もJR東日本さんと協力して、皆さまに注目していただけるような仕掛け作りを考えていきたいです。アイデアを駆使して、地域の活性化に貢献できたら嬉しいです。」(若月さん)

今後の江見駅郵便局の展開をお楽しみに。

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※撮影時のみマスクを外しています。
※ぽすくまは日本郵便のキャラクターです。

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