"ゆうちょらしさ"でお客さまの生活に寄り添う 家計簿アプリ「ゆうちょレコ」開発の裏側
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ゆうちょ銀行のデジタル戦略が目指す「共創プラットフォーム」の中心を担う、家計簿アプリ「ゆうちょレコ」。今回は、2023年2月にリリースされたこのアプリサービスの魅力と今後の展開について、株式会社ゆうちょ銀行 デジタルサービス事業部の田村 雄亮(たむら ゆうすけ)さんと四方 浩平(しかた こうへい)さんにお話を伺いました。
株式会社ゆうちょ銀行 デジタルサービス事業部 グループリーダー
田村 雄亮(たむら ゆうすけ)さん
2008年、株式会社ゆうちょ銀行に入社。法務畑を歩んだのち、2018年からデジタルサービスの事業企画・推進に携わる。「ゆうちょ通帳アプリ」の企画・開発を担当した経験を活かし、「ゆうちょレコ」では開発リーダーとしてチームをけん引。
株式会社ゆうちょ銀行 デジタルサービス事業部 主任
四方 浩平(しかた こうへい)さん
2016年、株式会社ゆうちょ銀行に入社。近畿の店舗での勤務を経て、2018年から本社の営業部門に配属。法人向けの決済サービス等の営業に携わり、2022年4月から現職。
スマホで毎月の収支や資産を一元管理!「ゆうちょレコ」誕生
――はじめに、スマートフォンアプリ、ゆうちょレコの概要について教えてください。
四方:ゆうちょレコは、普段お使いのスマートフォンで簡単に家計を管理できる家計簿アプリです。把握するのが大変で面倒な資産や収支を"見える化"することで、家計の管理をサポートするものとなっています。例えば、複数の銀行で口座を持っている方は多いと思いますが、そういった複数の金融機関の口座残高を一括して確認できます。また、クレジットカードで支払ったお金を自動でカテゴリー分類し、カテゴリーごとの支出割合をわかりやすくグラフ化することもできます。
――ゆうちょレコという名前の由来は何ですか?
田村:家計簿の主な目的となる、収入や支出を記録(Record)することを念頭に置いています。将来的には、アプリをとおしてお客さまにとっておすすめ(Recommend)の情報も提供していきつつ、ライフプランシミュレーションなどの機能により、よりご自身の状況を認識(Recognize)していただくという意味を持たせたいと考えていることから、これら3点に共通する"レコ"をとって「ゆうちょレコ」と名付けました。
――ゆうちょレコを開発したきっかけを教えていただけますか?
田村:今は、一口に「お金」といっても、銀行の預金・貯金だけでなく、投資をされている方も大勢いらっしゃいますし、クレジットカードやショッピングなどで貯まったポイントも現金と同じように機能しています。そのため、「お金の管理をしたくても、いろいろ管理することがありすぎて、自分が何にどれくらいお金を使っているのか、よくわからない」「節約にも役立ちそうだし、本当は家計簿をつけたいけど面倒そうだな」という方も多いと思います。そういった家計にかかわる情報を簡単に一元管理し、確認できるようなサービスをゆうちょ銀行から提供できないかという思いから、ゆうちょレコの企画を立ち上げました。
ゆうちょ銀行では、グループ中期経営計画「JP ビジョン2025」のもと、郵便局ネットワークというリアルチャネルとデジタルチャネルとの相互補完により、多くの事業者とオープンに連携する「共創プラットフォーム」を構築し、最適なサービスを提供する戦略を進めているのですが、家計簿アプリであるゆうちょレコも、そのデジタル戦略の中心となるアプリとして位置づけています。2020年度から構想をはじめ、翌年度にはアプリの内容・仕様を決定。アプリ開発を2022年の4月からスタートしてリリースは2023年2月だったので、企画からリリースまでを急ピッチで進めなければならず、なかなか大変でしたね。
誰もが使いやすい! 家計簿アプリ「ゆうちょレコ」の魅力
――ゆうちょレコのこだわりポイントを教えてください。
田村:わかりにくいお金の状況をどうわかりやすく"見える化"するかという点にこだわりました。基本的な機能を備えた家計簿アプリとして、シンプルながらも、直感的に家計の状況が把握しやすく、必要な情報が見やすいデザインがポイントです。
四方:「わかりやすく、やさしく」はアプリ全体に通底するコンセプトで、どなたにも親しみやすく、簡単にお使いいただけるアプリであり、同時に「ゆうちょらしい」温かみを感じるデザインに仕上げています。
――ゆうちょレコのデザインはどのようにして決まったのでしょうか?
四方:チーム内では、まず「ゆうちょらしさ」とは何だろうと話し合いました。ゆうちょ銀行はありがたいことに、多くのお客さまに口座をお持ちいただいています。そうしたお客さま一人ひとりに寄り添ったサービスを提供するのが一つの「ゆうちょらしさ」。そんな「らしさ」が感じられるデザインとなるよう、さらには、ゆうちょ銀行のコーポレートカラーをベースに、やわらかく、やさしい雰囲気を感じられるようにしたいと、議論を重ねました。
――ゆうちょレコの利用を、特におすすめしたい方はいらっしゃいますか?
四方:複数の銀行口座や証券口座、クレジットカードをお持ちの方、就職や結婚、出産といったライフステージが変わったことで生活習慣・お金の使い方が変わった方や、いつの間にか出費がかさんでしまう方に特におすすめしたいです。外食費やギフト費など、カテゴリーごとの増減がわかると、意外なところでお金を使っていることがわかり、家計の見直しに活かせるかもしれません。
田村:もちろん、ゆうちょ銀行のお客さまは、住んでいるところや世代はさまざまですし、バックグラウンドも多種多様です。それぞれの方のライフステージや生活習慣に合わせて、多くのお客さまにご活用いただけたらうれしいです。
急ぎながらも着実に。チーム一丸での安心・安全なアプリ開発
――「ゆうちょレコ」の開発中、意識されていたことはありますか?
田村:実質的な開発期間が1年未満だったので、スピード感は求められるなか、安心・安全・便利という「ゆうちょらしさ」を意識しました。そのうえで、よりお客さまにとって、使いやすい・使いたいと思ってもらえるアプリを目指そうとチームでディスカッションしてきました。
スマホアプリの開発には、四方さんのようなスマホに馴染み深い世代の声が大切です。どんな機能があればうれしいか、どんなデザインならわかりやすいか、画面構成がどんな手触り感だとよいかなど、若手社員を中心に活発に意見が交わされ、頼もしかったです。
四方:開発期間中は、メンバー全員で熱く「お客さまに喜ばれること」を考えることができ、仕事の醍醐味を感じました。これからも、自分が誰よりもゆうちょレコを使い込みながら、お客さまにとってどんどん便利なアプリへとアップデートしていきたいという強い気持ちが芽生えています。
さらに、ゆうちょレコはお客さまの資産状況を把握できるアプリなので、高いセキュリティはもちろん、プライバシーもしっかり守られる安心できるアプリとすることも強く意識していました。
ゆうちょ銀行ならではのデジタルサービスを通じ、優れた顧客体験の実現へ
――最後に、今後の展望をお聞かせください。
四方:ゆうちょレコは、よりわかりやすく、より簡単にお使いいただけるよう、これからもどんどん改良を重ねていきます。そして将来的には、ゆうちょレコを他のサービスと連携・連動させることで、お客さまの「家計管理」だけでなく、お客さまの「幸せな暮らし」につながるサービスへと展開していきたいと思っています。 例えば、ゆうちょレコを使えば水道光熱費の利用金額の増減の状況が把握できるので、その利用金額の傾向をもとに、お客さまにとって最適なプランをご提案するといったサービスを、共創プラットフォームのパートナー企業とともに考えることもできるかもしれません。ゆくゆくは、お客さまからの家計相談をお受けするなど、ゆうちょレコをとおして、お客さまの暮らしに寄り添ったサービスを展開していきたいと考えています。
田村:日本郵政グループの強みは、全国的なネットワーク網です。全国に広がる日本郵政グループのネットワーク網を活かし、他の企業ともいっしょになって、さまざまなサービスを広く全国に届けることで、全国のお客さまの暮らしが豊かになる。そんな未来に、ゆうちょレコが一助となればうれしいですね。
そのためにも、まずは、「ゆうちょレコっていいな」とお客さまに感じていただけるよう、これからも工夫を重ねていき、多くの人から愛されるアプリに育てていきたいです。
※撮影時のみマスクを外しています。