私のオンとオフ スイッチインタビュー 目指すは世界一!パワーリフティングで心身を鍛え、目の前の人にブレずに向き合う

私のオンとオフ スイッチインタビュー 目指すは世界一!パワーリフティング

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全国に約24,000ある郵便局、そして日本郵政グループの社員はおよそ40万人。この企画では、それぞれの立場で仕事に取り組む社員の姿勢と知られざるプライベートでの横顔、そんなオンとオフの両面で活躍する社員の魅力ある個性を掘り下げていきます。今回お話を伺ったのは、株式会社ゆうちょ銀行 茅ヶ崎店 金融サービス部 コンサルタント 課長代理の矢野 宏季(やの ひろき)さん。お客さまのライフプランに寄り添った金融商品を提案するコンサルタントである矢野さんのオフの顔は、パワーリフティング選手! 「地上でもっとも筋力が必要なスポーツ」とも称されるパワーリフティングとの出会い、トレーニングがもたらす心身の変化など、思わず身体を鍛えたくなるお話をいただきました。

矢野 宏季(やの ひろき)さん

株式会社ゆうちょ銀行 茅ヶ崎店
金融サービス部 コンサルタント 課長代理

矢野 宏季(やの ひろき)さん

2002年4月、総務省に入省。香川県の郵便局での勤務を経て、2004年4月からは横浜港郵便局 貯金課、株式会社ゆうちょ銀行 横浜港店 窓口サービス部に勤務。2022年4月より現職。

お客さまのライフプランをともに考え、バランスのよい提案を

――矢野さんの働くゆうちょ銀行 茅ヶ崎店や、茅ヶ崎エリアについて教えてください。

矢野:ゆうちょ銀行 茅ヶ崎店は、茅ヶ崎駅から徒歩約6〜7分と利便性の高い場所にあります。茅ヶ崎は居住地としても人気が高く、関東圏を中心に全国から転入があり、ご新規のお客さまも多い印象です。

茅ヶ崎郵便局
ゆうちょ銀行 茅ヶ崎店が入っている茅ヶ崎郵便局

茅ヶ崎市は2014年からハワイのホノルル市と姉妹都市協定を結んでいて、どこかハワイのような明るい雰囲気があります。クールビズならぬ「アロハビズ」を行っているお店や公共施設も多く、茅ヶ崎郵便局で働く社員も、クールビズ期間の月曜日・金曜日はアロハシャツを着て勤務しています。「茅ヶ崎ALOHA」という街のオリジナルアロハシャツもあり、特に夏場は街全体が活気づきます。

「アロハビズ」の日は社員がアロハを着用して勤務!
「アロハビズ」の日は社員がアロハを着用して勤務! 職場もいつもとはまた違う雰囲気に(前列右から3番目が矢野さん)

――今日(取材日)は、アロハシャツの日ではなくちょっと残念です(笑)。では、業務内容についてお聞かせください。

矢野:金融サービス部でコンサルタントをしています。1日に2、3名のお客さまとじっくり向き合い、相続関係のご相談をお受けしたり、資産形成に向けた金融商品のご提案をしたりしています。特に相続は、人生で何度も経験するライフイベントではありません。そのときの選択が人生にも大きく影響するため、お客さまにとってよりよい選択ができるよう、ご家庭の事情やご家族の想いに寄り添ったご提案を心がけています。

また、近年はこれまでにない物価上昇もあり、「このまま、貯金だけでよいのか」と不安を感じるお客さまが増えている印象です。そういった場合は、現在の家計状況やお客さまのお考えをじっくりヒアリングし、金融商品をご紹介するなどしています。

――コンサルタントとして働くうえで、心がけていることはありますか?

矢野:丁寧なヒアリングは大前提で、お客さまご自身が納得して商品を選べるよう、バランスのよい提案を心がけています。そのためにも幅広い商品の特性について勉強するとともに、景気の動向など社会情勢を把握することが大切です。

多いときは週6ジム通い! 努力が数字に表れるパワーリフティングの魅力

――パワーリフティングとはどのような競技なのか教えてください。

矢野:パワーリフティングは、「スクワット」・「ベンチプレス」・「デッドリフト」という基本3種目で持ち上げるバーベルの重量を競い合い、その総合点で争う競技です。現在、国内では約4,000名が大会に出場し、競い合っています。コロナ禍を経てトレーニングが習慣化された方が多かったようで、競技人口も年々増え、大会数も増加傾向です。大会には年間2回から6回、スケジュールに合わせて参加していて、今年は、神奈川県の国体予選を突破して関東大会に進みました。

神奈川県の国体予選では、デッドリフト205kgに挑戦
「日本グランプリパワーリフティング大会(全国大会)」で、ベンチプレス130㎏に挑む矢野さん

――予選突破、おめでとうございます! 矢野さんが、パワーリフティングと出会われたのはいつごろでしたか?

矢野:大学生のころなので、今から20年ほど前です。それまでは野球をしていて、大学でも何かしら運動したいと考えていたところ、野球の練習でも馴染みのあった、ウエイトトレーニングに興味が湧きました。また、ある雑誌で、当時パワーリフティングの世界チャンピオンだった三土手 大介(みどて だいすけ)さんの活躍を知ったこともあり、彼への憧れから、練習を始めました。

ただ、実は就職を機に一度競技から離れたんです。再開したのは今から8年ほど前。プライベートの時間を充実させたいと思ったとき、ふとパワーリフティングに打ち込んでいたころの日々の充実感を思い出し、「またやってみよう」と思ったんです。

――ちなみに、現在はどのくらいの重量を持ち上げられるのですか?

矢野:ベンチ台に横になり、胸の上でバーベルを上げる「ベンチプレス」だと、練習では150kgを上げています。これまでにパワーリフティングの大会で出した公式の自己ベストは、スクワット212.5㎏、ベンチプレス142.5㎏、デッドリフト210㎏のトータル565㎏です。

――トータル565㎏! もはや、どのくらい重いのか想像すらできません。ふだんはどのくらいトレーニングをされていますか?

矢野:多いときは週6回、ふだんは週4回仕事終わりにジムへ行き、1、2時間トレーニングをしています。ジムの会員さんはレベルの高い方が多く、いつも刺激を受けます。

パワーリフティングの種目の一つ「スクワット」をトレーニング中の矢野さん

――大会で結果を残すには、きっと食事も重要ですよね。やはり鶏肉でしょうか......?

矢野:おっしゃるとおり、毎日、鶏むね肉とブロッコリーばかりです。お酒を飲むと結果に響くことがわかってきたので、最近は飲み会でもお茶を飲んでいます。一方で、週1回の好きなものを食べるチートデーでは、パフェなど甘いものもOKにしています。ふだんは炭水化物をオートミールから摂るので、チートデーのときに食べる白米のうまさには毎回感動します(笑)。

――矢野さんが感じる、パワーリフティングの魅力を教えてください。

矢野:自分の努力が、持ち上げられる重さや大会での順位といった数字に反映されるところに魅力を感じます。トレーニング中は常に自分との闘いですが、汗もたっぷりかいて、ストレス解消にもなっています。

これまで複数の大会にチャレンジしてきた矢野さんの実績の数々

トレーニングがもたらす心の落ち着きが、仕事への向き合い方を変えた

――肉体面の強化が注目されますが、パワーリフティングで精神面も鍛えられるものですか?

矢野:気を抜くと潰されそうになるほど重いバーベルを上げるには、集中力が必要になります。そのため何があっても本質に集中し、落ち着いて対処できるようになりました。ストレス解消と言えば「お酒を飲むこと」だったころは、仕事でのトラブルにもイライラしてしまっていました。パワーリフティングを始めてから、何があっても動じずにいられて、自分でも驚いています。

――お仕事にも、よい影響があるんですね!

矢野:精神的に余裕が生まれたことで、部下の想いや仕事に対する考え方をじっくり聴き、一人ひとりのペースに合わせながら接するようになりました。まとまった時間が取れないときは、業務中の1、2分でも時間を見つけて会話するよう心がけています。あと、職場の力仕事では頼られるようになりました(笑)。

――職場でも、力持ち認定されていらっしゃるんですね(笑)。パワーリフティングに取り組むことで、お客さまへのコンサルティングには何か影響がありましたか?

矢野:動じなくなったおかげか、信頼していただける場合が多くなったように感じます。以前は、よくないとわかっていても、お客さまの反応に一喜一憂していました。どこか浮ついてしまったり、表情が沈んでしまったり。今思えば、そんな様子は、「私の重要なライフプランをこの人に聞いていいのか」とお客さまに不安を感じさせていたかもしれません。

今は、お客さまの笑顔のためを第一に、ブレずに提案できるようになりました。そうすると、お客さまも自然と私の提案に耳を傾けてくださいますし、仕事がより面白くなってきました。

――自分の信念からブレずに行動できるというのは、すごい効果ですね。

矢野:そうですね。「今何が大切か」ということに自分自身がブレてしまっていては、お客さまから信頼していただくことはできません。パワーリフティングの練習でも、自分を追い込むこと自体にとらわれすぎると、逆に筋肉が落ちて結果が出なくなるんです。なんでも、ただやればいいというのではなくて、軸をしっかり持つというか、そこからブレないことが大事なんだと言い聞かせています。

日本代表にも選出! 仕事もトレーニングも全力で両立し、大きな夢に向かう

――同僚の皆さんは、矢野さんがパワーリフティングに取り組まれていることはご存じですか?

矢野:同僚や店長からは大会の前に「頑張って」など声をかけてもらったりして、応援してくれているので、とても心強いです。

――では、これからのお仕事での目標について教えてください。

矢野:もっと店舗を引っ張っていける存在になりたいですね。自分だけでなく、チーム内でも、どのようにしたらお客さまが笑顔になる良質なご提案ができるのかを話し合いながら、取り組んでいきたいと思います。

――続いて、パワーリフティングでの目標についてもお聞かせください。

矢野:今回、標準記録(※)を突破し、選考大会でも数字を残せたことで日本代表に選ばれ、今年の10月にモンゴルで行われた世界大会「世界マスターズ クラシック パワーリフティング選手権大会」に出場できました。現在の目標は、全国大会で良い成績を残し、2024年12月にウズベキスタンで行われるアジア大会「アジアクラシックパワーリフティング選手権大会」に出場し、優勝することですね。絶対にメダルを日本に持ち帰りたいです。

※ 全日本クラスの大会に出場するために必要となる記録。

日本代表のユニフォームを着た矢野さん(右)と横浜マリントレーニングジム代表の谷澤 一矢(たにざわ かずや)さん(左)。アジア大会で優勝することを目標に、谷澤さんのジムで日々トレーニングに励んでいる

――今後、オン・オフ両方の取り組みを通し、どんな人生を歩んでいきたいですか?

矢野:パワーリフティングを通して、大会で国内外の知らない街に行けたり、新しい出会いがあったり、自分の世界が広がった感覚があります。私がパワーリフティングを始めるきっかけをくれた三土手さんにも大会の場でお会いでき、三土手さんのジムに行って直接教えていただく機会にも恵まれました。

定年までは、今と同じように仕事と競技を両立させてどちらも頑張りたいです。そして、パワーリフティングは、年齢を重ねても取り組み続けられる競技です。まだまだ先ですが......例えば70歳を迎えるころ、同世代の競技者と闘い、世界一になれたらと夢見ています。

オン・オフ両立の極意

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