東京の金融マンから函館の簡易郵便局長に! 第2の人生をより楽しむための新たな挑戦

東京の金融マンから函館の簡易郵便局長に! 第2の人生をより楽しむための新たな挑戦

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全国に約2万4,000ある郵便局、そのうちの約4,000局が簡易郵便局です。簡易郵便局とは、個人や地方公共団体、法人などが日本郵便株式会社と契約を交わし、郵便・貯金・保険といったサービスを提供する施設です。

今回は、東京で金融マンとして長年勤めたのち、第2の人生として簡易郵便局を受託した、北海道函館市にある函館釜谷(はこだてかまや)簡易郵便局の局長 堀江 典昭(ほりえ のりあき)さんにお話を伺いました。

堀江 典昭(ほりえ のりあき)さん

函館釜谷簡易郵便局 局長

堀江 典昭(ほりえ のりあき)さん

大学卒業後、東京の金融機関に就職。
23年間勤務したのち、2021年から函館釜谷簡易郵便局を受託。

第2の人生を充実したものに。簡易郵便局、そして函館との出会い

大学卒業後、東京の金融機関に23年間勤めていたという堀江さん。簡易郵便局について知ったのは、ご自身のこの先の人生について考えたことがきっかけだと言います。

「46歳になったとき、だいたい70歳くらいまで働くとしたら、今がちょうど折り返し地点だなと思い、23年間働いた会社の転職を考えました。金融機関での仕事もとても充実していたのですが、残りの人生はもっとお客さまや地域に密着した仕事をしたいと考えました。

そんなときに、日本郵便のWebサイトで簡易郵便局の募集要項を見つけたんです。郵便局にはお客さまに寄り添った温かいイメージを持っていたので、ぜひやってみたいと思い、応募することにしました」(堀江さん)

当時は東京に住んでいた堀江さん。もともとは移住を伴う受託は考えていなかったそうです。なぜ、函館へ移住することになったのでしょうか。

「はじめは、東京から通える関東近郊での開局を検討しました。ですが、当時関東近郊で簡易郵便局を募集していた地域に、自宅から通える場所はなかったんです。そこで、どうせ新しく始めるなら、移住も視野に入れてみようと、北海道から沖縄まで検討することにしました。

そのなかでも函館を選んだのは、空港などからのアクセスもよく、自然が豊かな場所だという印象があったからです。実際に住んでみると、市街地と自然のバランスがよく、趣味のゴルフや登山などもでき、函館を選んでよかったなと感じています」(堀江さん)

簡易郵便局の後ろには山がそびえ立ち、豊かな自然に囲まれています

東京・函館間を往復! まわりのサポートもあり開局へ

函館での開局を決めた堀江さんですが、開局までの道のりは大変だったと言います。特に苦労したのは、堀江さんの業務をサポートし、ともに働く補助者の決定と、簡易郵便局を開局する場所を探すことだったそうです。

「1つの簡易郵便局に対して2名以上の補助者が必要なのですが、なかなか見つからなくて。そんなときに助けてくださったのが、近くの簡易郵便局の局長さんでした。事情を説明すると、すぐに人材を紹介してくださって、本当に助かりました。

開局する場所は、東京と函館を何度か往復しながら探しました。賃貸の物件やリノベーションなども検討し、地元の不動産業者や施工会社にも協力していただき、費用面や立地などを考えて現在の場所に決めました」(堀江さん)

そんななか、北海道支社のサポートや、地域の支援金制度などの利用は、開局を実現するために欠かせないものだったそうです。

「支社の簡易郵便局担当の方には大変お世話になりました。さまざまな相談にも迅速に対応してくださいましたし、この簡易郵便局は当初『釜谷漁港簡易郵便局』という名前になる予定だったのですが、ぜひ『函館』という地名を入れたいと思い相談したときも、親身になって話を聞いてくださいました。

北海道の支援金制度については、地域課題解決型起業支援事業に対する支援金に応募しました。この地域に簡易郵便局が必要であることの説明資料や、事業計画書の提出など、かなり細かな作業が求められましたが、こちらに関しては前職の金融機関での知識やスキルが役立ちました」(堀江さん)

「ありがとう」が力に。プライベートでは新たな挑戦も

開局した函館釜谷簡易郵便局

さまざまな方のサポートもあり、簡易郵便局を開局した堀江さん。開局したときは、とてもうれしかったと当時を振り返ります。転職や移住はやはり大変なことも多いそうですが、そんなとき支えになったのはお客さまの声でした。

「函館釜谷簡易郵便局では、局長として簡易郵便局の運営はもちろんのこと、郵便・貯金・保険にかかわる窓口対応をしていますが、覚えることがたくさんあり、大変だなと思う時期もありました。ですが、お客さまから『ありがとう』という言葉を直接いただけると、それが励みになり、やりがいにつながっています。

東京で働いていたときには、お客さまから感謝の言葉をいただく機会が少なかったので、『ありがとうございます』とお声がけいただけると、簡易郵便局を受託すると決意してよかったなと感じます。

お客さま対応をする堀江さん(左)と補助者の山田さん

この地域のお客さまはご高齢の方が多いのですが、元気な方ばかりでいつもこちらまで元気をいただいています。私からも積極的にコミュニケーションをとることで、ご高齢の方が安心して気軽に立ち寄っていただけるような簡易郵便局にしていきたいです」(堀江さん)


新たな地で、簡易郵便局の局長という新たなキャリアを築き始めた堀江さんですが、この挑戦はプライベートにも思わぬ変化をもたらしたそうです。

「東京で働いていたときは土日に急な仕事が入ったり、休日にも仕事のことが頭から離れなかったりと仕事中心の生活をしていました。ですが、簡易郵便局の局長になってからは、仕事とプライベートの切り替えがしっかりでき、好きなことに時間を割くようになりました。

今、函館の観光地を案内するボランティア活動にも参加していて、修学旅行生や一般旅行者に向けて五稜郭公園などのガイドをしています。函館の観光地の勉強はもちろんなのですが、最近はボランティア活動を紹介するWebサイト作りに挑戦したり、SNSのセミナーに参加したりと新しいことに取り組んでいます。Webサイトを作ったときは、ボランティアのメンバーに喜んでもらえて、とてもうれしかったです。今後もたくさんの人に函館の魅力を知っていただきたいです」(堀江さん)

函館への移住と同時にネコを飼い始めたという堀江さん。愛猫トムキャット(3才・オス)に日々癒されているそう

また、移住したことで地域と深くつながることができるようになり、コミュニティが広がったと言います。

「函館はこれまで縁のなかった土地でしたが、地元の方と交流することで知り合いや、友人が増えました。今では、函館名産の昆布などをお裾分けしてもらい、近くのお店に持っていって調理してもらうこともあります。これからも、北海道の自然と触れ合いながら、交友関係もさらに広げ、充実した生活を送れればと思っています」(堀江さん)

簡易郵便局の目の前には漁港があり、津軽海峡が広がっている

目指すのは、地域の皆さまに末永く愛される簡易郵便局

簡易郵便局の受託に興味を持っている方へメッセージもいただきました。

「興味を持っている方は、ぜひ一度、気軽に相談してみてほしいです。支社の簡易郵便局担当の方も親身になってくださいますし、検討の幅が広がると思います。また、会社から承認されれば簡易郵便局を営業しながら兼業として他の事業を行うこともできます。

簡易郵便局を運営し始めて、私自身もこれまでできなかったことに挑戦できるようになり、地域の方との触れ合いを楽しみながら充実した日々を送れるようになったと感じています。新しい人生のスタートに、簡易郵便局の受託というのは、とてもよい選択肢の一つだと思います」(堀江さん)

最後に、堀江さんに今後の展望を伺いました。

「開局以来、私たちは、安心・親切・丁寧ということをモットーに簡易郵便局を運営してきました。この想いを忘れずに、よりよいサービスを変わらず提供し、これから20年、30年と地域の皆さまに愛される簡易郵便局にしていきたいなと思います」(堀江さん)

東京から函館への移住、そして簡易郵便局長となり、第2の人生を歩む堀江さん。プライベートも充実させながら、これからも地域のお客さまのために頑張りたいと意気込んでいました。第2の人生に簡易郵便局の受託という選択も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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