私のオンとオフ スイッチインタビュー JBA公認S級審判ライセンスを持つかんぽ生命社員の躍動の源は「チャレンジ精神」

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約24,000ある郵便局をはじめ、全国で働く日本郵政グループの社員。この企画では、それぞれの立場で仕事に取り組む社員の姿勢と知られざるプライベートでの横顔、そんなオンとオフの両面で活躍する社員の魅力ある個性を掘り下げていきます。今回、話を聞いたのは、株式会社かんぽ生命保険 契約サービス部の富樫 彰子(とがし あきこ)さん。公益財団法人日本バスケットボール協会(以下、JBA)公認のバスケットボール審判員として、毎週末各地の試合に赴いています。その活躍の様子とオンとオフの共通点に迫ります。

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株式会社かんぽ生命保険 契約サービス部 主査

富樫 彰子(とがし あきこ)さん

2009年、株式会社かんぽ生命保険に入社。仙台および東京のサービスセンターでの勤務を経て、2021年度から現職。

キャッシュレス化の推進は、難しいながらも面白い

――富樫さんの所属されている契約サービス部とは、どんな部署でしょうか。

富樫:契約サービス部は、当社の生命保険にご加入いただいているお客さまのご契約をしっかりと支える役割を担っています。簡単に言うと、ご契約の「保全」を担当する部署です。

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――富樫さんは普段どのような業務を行っていますか。

富樫:主にお客さまからお預かりする保険料の収納管理を担当しています。収納に関する手続き方法について支店やサービスセンターで働いている社員に説明を行ったり、イレギュラーな事案が生じた場合は対応方法を検討して関係する部署と連携を行ったりすることもあり、毎日があっという間に過ぎますね。中長期的な業務では、キャッシュレス化推進の取り組みや、お客さまがより保険料を払い込みやすくなるようなサービスの検討も行っています。

――仕事のやりがいや難しさはなんでしょうか。

富樫:近年は、キャッシュレスに対応するために既存のシステムの改修や、新たなシステムを構築するといった業務が多くあります。これらのシステムはお客さまのみならず、社内でも利用するケースがあるので、いろいろな立場にある方々の視点を取り入れながら企画をしなくてはなりません。難しい仕事ではあるのですが、難しさがある分、面白いところでもありますね。

審判員として「完璧な試合」がないからこそ、向上できる

――富樫さんは、JBA公認のS級審判員としても活躍されているそうですね。

富樫:はい。JBAのライセンス制度には、E級からS級までの階級があるのですが、S級になると公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(B.LEAGUE、以下、Bリーグ)などのトップリーグおよびJBAが主催・管轄する大会で審判を担当することができます。日本に数万人いるとされるJBA公認審判員のなかでも、S級は150名ほどです(2024年9月時点)。

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S級審判員は、Bリーグの審判も行う ©B.LEAGUE

――一握りの人しか取得できない階級なんですね。そもそも富樫さんが審判員の道を志したきっかけを教えていただけますか。

富樫:バスケットボール(以下、バスケ)は小学生のころから打ち込んでいたのですが、高校3年生のときの試合で前十字靱帯損傷というケガをしてしまい、選手としてプレーすることが困難になってしまったんです。大学に進学してからは恩師のすすめもあり、恩師がコーチを務める母校のバスケ部に外部コーチとして携わることになりました。審判員の試験を受けてみないか、と提案してくれたのも、実はその恩師なんです。最初は前向きではなかったのですが、初めて受けた試験がうまくいかず、それが悔しくて。再挑戦して、無事に県公認の審判員資格を取得することができました。

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試合で使用しているホイッスル(左)とS級ライセンスの公認審査員証(ワッペン/右)

――そこから審判員の活動に打ち込むようになったのですか。

富樫:本気で審判員に取り組もうと思ったきっかけは別にあります。外部コーチをしていた母校のバスケ部が高校総体に臨むことになり、私も初戦に立ち会ったのですが、その試合を通じて審判員の責任の重さを改めて実感するとともに、勝敗を別にして選手やコーチが納得できるような試合にしなければという想いが強まりました。

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Wリーグでの審判の様子。瞬時に、的確に、判断をしなくてはならない ©W LEAGUE

――審判員の醍醐味とはどんなところですか。

富樫:実は、これまで審判員をするなかで、完璧だと思える試合は一つもありません。ファウルやトラベリングを絶対に見逃さないように意識していても、やはりシビアな判断を求められる瞬間が毎回あります。完璧がないからこそ、面白いし、大きなやりがいも感じています。

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コートを駆け回りながら「その瞬間」を見逃さない ©B.LEAGUE

――審判員をするうえで、気をつけていることはありますか。

富樫:コート上では、常に屹然(きつぜん)とした態度でいることです。自分のジャッジに迷いが生じると、つい表情や態度に出てしまいそうになりますが、ちょっとした動揺も選手には見抜かれてしまうんです。ですので、ホイッスルの吹き方、立っているときの姿勢、身振り手振りの角度など、一挙手一投足のすべてに気を配るようにしています。

オンもオフも、大事なのはコミュニケーション力

――仕事と、審判員の活動をどのように両立させていますか。

富樫:審判員の活動は、基本的には仕事のない週末に入れるようにしていますが、どうしても平日に審判員の予定が入りそうなときは、職場に相談して休暇をいただいています。また、審判員は体力を要する活動なので、体力維持のために、平日は早起きをして出勤前に軽いウォーキングや筋トレなどを行っています。夜も早く帰れた日は何かしらのトレーニングを行うように心がけています。

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選手同様、審判員も運動量は豊富。日ごろのトレーニングが必要 ©W LEAGUE

――仕事が忙しくて、審判員の活動に響いてしまうということはありませんか。

富樫:そうならないように日ごろから心がけているのが、タスクに優先順位をつけるということです。いま自分に与えられている業務をすべて洗い出し、時間配分も意識しながら優先度の高い順に消化していく。もし難しい仕事があれば、一人で抱えないで職場の仲間に助けを求める。もちろん助けられてばかりではいけないので、それぞれの得意分野を見極めながら助け合う関係性を築くようにしていて、何よりもコミュニケーションを大事にしています。

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職場でもコミュニケーションを密に、和気あいあいとした雰囲気を作り出している

――オンとオフを両立させることで、生まれている相乗効果はありますか。

富樫:すべてのことが相乗効果につながっていると思います。例えば、先ほどの仲間とのコミュニケーションもそうです。バスケのトップレベルの試合ともなると、審判員が3名体制となるんですが、いっしょに審判員を務める人と試合当日に初めて会うといったことがよくあります。コミュニケーション力は、審判員にとって必須のスキル。だからこそ、職場でのチームワークの経験が審判員の活動にも役立っていますし、逆に審判員で培ったコミュニケーション力が職場で活かされることもありますね。

やりたいことは諦めずに、全部チャレンジしてほしい

――今後、オンとオフの両面で目指したい目標があれば教えてください。

富樫:オンに関しては、自分の仕事の幅をもっと広げたいですし、さらに大きな仕事に携われるようになりたい。常に上を目指していきたいと思っています。オフに関しては、自分に与えられた審判員の役割を全うすることは大前提ですが、審判員仲間と交流を重ねながら、お互いにレベルアップを目指していきたいです。そして、できる範囲で後進育成のような取り組みにも力を入れたいと思っています。

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――最後に、オンとオフの両立を目指している方にメッセージをお願いします。

富樫:やりたいことは諦めないでほしいです。「Aをやりたいけど、Bもやりたい、だからどちらかを捨てる」というのではなくて、簡単なことではないと思いますがAもBも諦めないで前向きに取り組んでほしい。私自身、くじけそうになることは何度もありましたが、これまでお世話になった人たちへの感謝の気持ちが常に原動力になりました。強い意志を持ち続ければかなうはずなので、ぜひチャレンジしてみてください。

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