たびぽすと 南国の風に包まれる宮崎トリップ。ビーチリゾートで出会った《幸せの黄色いポスト》
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あなたに伝えたい旅路がある。
そこでしか見られない景色、そこでしか感じられないものを写真に収めながら旅を進めていく。四季の移り変わりや美しい自然の中に佇むポストを目指す旅へ出発です。
九州の東の海岸を南へ――。
ずっと行ってみたいと思っていた、宮崎県の日南海岸国定公園の玄関口に位置する青島の「幸せの黄色いポスト」へ足を運びました。海を背に立つこのポストのまわりは、そこに暮らす人たちの日常と旅人たちの非日常など、いろんな情景が入り交じる場所で、日帰り旅行とは思えないほどの多幸感に満たされた一日を過ごしてきました。
10:00 海とフェニックス並木がいざなう絶景ドライブへ
宮崎駅からレンタカーで日南海岸を目指してドライブ。30分ほどで堀切峠の山道を上り、宮崎県屈指のドライブルートでもある日南フェニックスロードへ抜けると、視界は空と太平洋のブルーに染まります。
道沿いにはフェニックスとワシントニアパームの並木。ここはロサンゼルス?いや、ハワイ?まるで海外旅行に来たかのような錯覚に。
車から降りて湿気を帯びた潮風に包まれながら歩くと、辺りに咲き誇るピンクや紫色の花が見え、一気に増してくる南国ムード。
11:30 ランチは青島のハワイアンカフェで
国道を折り返し、10分ほどで青島エリアへ到着。メイン通りには土産店やスイーツ店、サーフショップ、植物園などが並びます。
青島駅そばの青島神社参道の入口にある歩道橋。渡るだけでワクワクするような、子どもの頃の遠足気分がよみがえってきました。
歩道橋を下りてすぐ、カフェの看板を発見。ここでランチをいただくことにしました。
「ハワイアンカフェ Life」は、フラダンスを長年たしなむ店主が、2021年に夢だったカフェをオープンしたもの。店主のご主人にゆかりのある青島に家族で移住してきたそう。
手づくりでリノベーションしたナチュラルな雰囲気の店内は、シーリングファンがゆったりとまわる穏やかな空間。海沿いを散歩した途中に立ち寄る人も多く、さながらスタイリッシュな海の家のような存在。
メニューとにらめっこして悩んだ末、ケイジャンスパイスがほどよく効いた、彩り豊かなチキンオーバーライスをチョイス。いっしょに頼んだレモネードは、宮崎県産のレモンを細かく刻んだプチプチ食感の果肉が入っていて、爽快に弾ける炭酸がのどを潤してくれました。
14:00 トロピカルでキュートな氷果店
お腹も満たされ、再び散策へ。
味のあるロゴに引き寄せられてのぞいてみることに。
元民家にドライフラワーやレトロなインテリアを馴染ませた、センスが光る「宮崎氷果店」は、かき氷をメインに冷たいスイーツをイートインできる店。多い日には300個も注文されるというマンゴーのかき氷をオーダーしました。
小気味よく削られ、軽やかに器に舞い降りていく氷。無添加のスピルリナココナッツシロップで青島の海のようなブルーに彩られます。その上に宮崎県産のマンゴーがぜいたくすぎるほどにゴロゴロとトッピングされていて、トロピカルなカラーリングがたまらない。
トロトロのマンゴーと、舌触りがなめらかでふんわりとした氷をコーティングするように、ココナッツミルクと練乳がマイルドに溶け合います。絶妙なバランスの味わい。
窓の外の公園で散歩をする人たちを眺めながら、ビジュアルも味も絶品なかき氷を堪能。
あぁ、いい休日だな。
思わず心の声が漏れていました。
壁面のデザインのかわいさにくぎ付け。スタッフの方に声をかけずにはいられませんでした。「日本全国、海外で活躍するアーティスト、平野幹(ひらの かん)さんが手がけているんですよ」とのこと。観光客のフォトスポットになっているそう。
「青島の波に惹かれてここに移住する人が多くて。みんなサーフィンをたしなんでいますよ」と、氷を削りながら充実の宮崎ライフを教えてくれました。
15:00 異国情緒あふれるトゥクトゥクに乗って
青島エリアの旅で外すことのできない、パワースポットとして知られる青島神社を目指します。
青島神社につながる弥生橋のたもとでカラフルなトゥクトゥクがお出迎え。せっかくなのでトゥクトゥクに乗って、青島神社までの8分ほどのプチドライブへ。
青島神社は、神話に登場する山幸彦(やまさちひこ)と豊玉姫(とよたまひめ)の夫婦を祀ることから恋愛成就のパワースポットとなっています。「国指定特別天然記念物に指定された亜熱帯植物群落の国内でも珍しい神社なので、しっかりお参りしてきてくださいね」と、運転手の方が案内してくれました。青島神社の境内の裏側をのぞくルートを走って鳥居まで送ってくれるので、アクティビティの一つとしてもおすすめです。
15:15 恋の味方、青島神社でパワーチャージ
700万年前の隆起海床に貝殻が積もってできたといわれる、周囲1.5kmほどの青島。その中央に鎮座するのが青島神社です。海に向かって堂々とした表情を見せる狛犬の間を通って、いざ境内へ。
亜熱帯植物が朱塗りの境内を覆い、鮮やかなコントラストがまぶしく映ります。
16:30 幸せの黄色いポストから思い出を届けて
日も傾き始め、そろそろ宮崎の旅もしめくくり。幸せの黄色いポストへ向かうと、目の前にある「AOSHIMA BEACH PARK」ではペットを連れたファミリーがお茶を楽しんだり、制服姿の高校生がおしゃべりをしたりしていて、中にはサーフボードを片手に、帰り支度をする人の姿も。サンセットと波の音をBGMに、思い思いのひと時を過ごす日常がうらやましくなりました。
青い海に、鮮やかな黄色が映えるこの青島のポストは、「幸せの黄色いポスト」と呼ばれています。
青島神社の山幸彦と豊玉姫がラブレターを送りあったという、古事記に伝わる神話から、青島が恋文の始まりの地とされていることが由来だそうです。
果てしなく続く海岸線の絶景、ひんやりまろやかな味が忘れられないかき氷、ロマンティックなストーリーあふれるポスト......。今日の思い出を東京の友人へ届けるべく、近くの郵便局でゲットした宮崎マンゴーのご当地フォルムカードにしたため、ポストへ託しました。
宮崎・青島での出会いをつづり、この日だけの出来事と思えないほど心を満たしてくれたことに気づかされました。
数日たった今もまだ、宮崎の温度と湿度、目に映った色彩が頭から離れず、旅の余韻にひたっています。
宮崎のいい風が、東京の友にも届いたでしょうか。